デビッド・ベナビデスは、いわゆる“
ビッグファイト”を引き寄せられずにいる中で、ここ数年は自分自身の道を切り開いてきた。
ベナビデス(31勝0敗、25KO)がWBCライトヘビー級王座を保持しているのは、ドミトリー・ビボルが
アルトゥール・ベテルビエフとの
三部作を追う中で、指名挑戦者だったベナビデスとの対戦を回避したためだ。同じような“かわされ方”は
カネロ・アルバレスからも受けており、
カネロはベナビデス戦にそこまで興味がないことを公言してきた。一連の展開に、ベナビデスとチームは大きな不満を抱えている。
「カネロをあれだけ長く待って、結局どんな手を使っても逃げられた。デビッドはもう誰を待つつもりもない」と、プロモーターのサンプソン・ルウコウィッツはプレスリリースで語る。
「昨年ビボルには800万ドルを提示したが、彼はデビッドと向き合う代わりに、予定されていた入札の前日にWBC王座を返上する道を選んだ。ベテルビエフは(
2月のビボル戦で)負けているから、金銭面以外に意味がない。そもそもデビッドが望んでいるのは再戦の勝者であって、敗者じゃない。デビッドはベテルビエフを止めるだろう。
疑いようがないし、スパーリングではヘッドギアと大きいグローブ着用でもビボルをダウンさせている。デビッドは世界最高のPFPファイターだ。でも自分で言いはしない。試合ごとに証明していく。」
ビボル(24勝1敗、12KO)は2025年後半に
背中の手術で離脱しており、マッチルームのエディ・ハーンは「2026年第1四半期には復帰できる見込み」として、相手はベテルビエフになると見られている。
そのベテルビエフ(21勝1敗、20KO)は、
本来ベナビデス vs ヤードのアンダーカードでディオン・ニコルソン戦をやって調整する予定だったが、試合は6週間前にキャンセルされた。
「WBA は、ビボル vs ベテルビエフの勝者に対してデビッドが指名挑戦者になると保証している」とルウコウィッツは続ける。「ビボルはデビッドとやらないために、また“ロシアン・カネロ”みたいに王座を返上するしかなくなるだろう。スパーの時にデビッドにボコボコにされて倒されたのを分かっているから、戦いたくないんだ。ビボルがデビッドに勝つ可能性はゼロだ。断言する。デビッドを止めておけるパワーなんて持っていないし、リングでは壮絶な打ちのめされ方をするだけだ。」
Manouk Akopyanは『ザ・リング・マガジン』の主任記者である。 X (旧Twitter)およびInstagramでは@ManoukAkopyanで連絡可能。