ラスベガス発――五分五分と評される注目の一戦が目前に迫る中でも、
カネロ・アルバレスは木曜夜、
デビッド・ベナビデスの名前から逃れることはできなかった。
土曜夜、T-モバイル・アリーナで行われる
テレンス・クロフォードとのビッグマッチ(Netflixで世界配信)の記者会見で、スーパー・ミドル級4団体統一王者のアルバレスは、改めてベナビデス戦の可能性について質問を受けた。
近年ベナビデス戦を避けているとして、米国で最も稼ぐボクシングスターはファンから強い批判を浴びてきたが、アルバレスはこれを否定。将来的に対戦を完全に否定するわけではなかったものの、すぐに話題をクロフォード戦へと切り替えた。
「見てくれ、俺は何に対してもノーとは言わない。後でわかるさ。でも今はこの試合に100%集中している」とアルバレスは語った。
なお、アルバレス対クロフォードのオッズは縮まり続けており、クロフォードが2階級上げて挑むにもかかわらず、現在はほぼ互角(アルバレス -165、クロフォード +135)に迫っている。
グアダラハラ出身のアルバレス(63勝2敗2分、39KO/ザ・リングPFPランキング8位)は、リング誌王座およびIBF・WBA・WBC・WBO世界168ポンド王座をかけて、ランキング3位のテレンス・クロフォード(41勝無敗、31KO)と対戦する。オマハ(ネブラスカ)出身のクロフォードは、勝てば5階級制覇、さらに3階級での4団体統一という歴史的偉業を達成することになる。
一方、デビッド・ベナビデス(30勝無敗、24KO)は、アルバレスが自分との試合を行わないことが完全に明白になった昨年、ライトヘビー級へ階級を上げた。フェニックス出身のベナビデスは、11月22日にサウジアラビア・リヤドのANBアリーナで開催される「ザ・リングIV」興行のメインイベントで、イギリスの
アンソニー・ヤード(27勝3敗、24KO)を
相手にWBC世界175ポンド王座を防衛する。
アルバレスはこれまでに2度ライトヘビー級で戦っているが、ベナビデスは彼が心変わりして試合を受けることを期待していない。
「もしその試合が実現しなくても、俺は構わない」とベナビデスは最近
ザ・リングに語った。
「構わないさ。俺は自分の道を進んでいる。世界の他の強豪(
ドミトリー・ビボルや
アルトゥール・ベテルビエフ)と戦って、勝つことを目指しているんだ。でも、もしその試合が実現するなら、もちろん準備はできている。実現しそうな気配もあるしな。」
「俺は175ポンドでWBCのベルトを持っている。カネロは“偉大さのため、タイトルのためにしか戦わない”と言ってるし、それが彼を駆り立てるんだろ? だったら今、俺はタイトルを持っているんだ。わかるだろ? 俺はこれからも勝ち続けるだけで、カネロのことは考えていない。でも、もしその試合が実現するなら、俺たちは準備万端で臨むさ。」
Keith Idecは「ザ・リング・マガジン」のシニアライター兼コラムニスト。Xでは @idecboxingで連絡可能。