“メキシカン・モンスター”は土曜夜、
アンソニー・ヤードを計画的に崩していく。
デビッド・ベナビデスはヤードの鼻を割り、強打者の挑戦者を痛めつけ続け、第7ラウンドでダウンを奪い、その約1分後に試合を終わらせる。サウジアラビア・リヤドのANBアリーナで、ベナビデスがロープ際に追い込まれ無防備となったヤードに連打を浴びせる中、ヘクター・アフ主審は第7ラウンド1分59秒で試合を止め、救済のストップをかけた。
フェニックス出身のベナビデス(31勝0敗、25KO)は、リング誌ライトヘビー級2位のコンテンダーで、この「ザ・リングIV:ナイト・オブ・ザ・チャンピオンズ」PPVのメインイベントでWBC王座を防衛し、空位だったWBA王座の一つも手に入れる。ベナビデスが2026年に対戦を望むドミトリー・ビボル(24勝1敗、12KO)は、リング誌、IBF、WBA、WBOのタイトルを保持している。
「まさに想定していた通りだ」とベナビデスはリング上でDAZNのクラウディア・トレホスに語る。「アンソニー・ヤードと契約した時から、『これは戦争になる』と思っていた。実際、俺が夢見た通りの“戦争”になった。6ラウンドでカットされた時、俺は彼に『撃ち合いがしたいのか? ならやってやろう』って思った。そして見ての通りだ。彼はモンスートロ(モンスター)の世界に足を踏み入れ、KOされたんだ。」
イングランド出身のヤード(27勝4敗、24KO)はリング誌4位。ライトヘビー級の世界タイトル戦では0勝3敗で、ロシアの王者だったセルゲイ・コバレフとアルトゥール・ベテルビエフをそれぞれ2019年8月と2023年1月に追い詰めながら、どちらにも逆転KOされている。
第7ラウンドが始まる時点で、ヤードの激しい鼻血は明らかな問題となっていた。アフ主審は試合続行を認める前に、ヤードをリングドクターのところへ連れていく。
第7ラウンド開始1分弱で、ベナビデスの頭部&ボディ攻撃の連打を浴びてヤードはダウン。ヤードが倒れた状態でベナビデスが左を放ったため、アフ主審は減点を科す。
それでもベナビデスは止まらず、ヤードを追い詰め続け、アフ主審が間に入って不必要なダメージから救済するまで打ち続けた。
第6ラウンド中盤、ヤードが右アッパーを決めると、ベナビデスは「やれるなら来い」と手招きする。その直後、ベナビデスが放ったパンチがヤードの鼻を割り、チャンピオンはそこからパワーパンチの猛攻を浴びせ、ゴングが鳴るまで攻め立てる。
前の5ラウンドでは後退しながら戦っていたヤードだが、第6ラウンド開始直後の右でベナビデスをロープに押し下げる。しかしベナビデスは数秒後に試合を中央へ戻す。
第5ラウンド終盤には、ベナビデスが右連打でヤードをロープへ下げる。
第5ラウンド残り1分20秒すぎには、ヤードの右アッパーがヒット。開始1分弱でも両者の右が交換される。
第4ラウンド終盤、アフ主審はヤードにベナビデスの右腕をホールドするのを許したため、ベナビデスは十数発の連打を解き放ち、多くのパンチをヒットさせる。
第4ラウンド残り1分あたりでは、ヤードが右を決め、ベナビデスはコンビネーションで応戦。
第4ラウンド開始1分ほどでは、両者が右を交換。
第3ラウンドでは、ベナビデスは前へ出続けるが、ヤードも反撃を返して簡単には攻め込ませない。それでもベナビデスはラウンド終盤15秒で右を2発ヒットさせる。
第2ラウンド終了直前、ベナビデスは右を打ち込みながらバランスを崩して倒れる。負傷ではなく、滑りやすい箇所を確認するようにマットを見つめる。
第2ラウンド序盤には、ベナビデスが右を当ててヤードをロープに押し下げるが、ヤードは左フックで反撃し、ベナビデスを後退させる。
第1ラウンド残り50秒強では、ヤードの右がヒット。開始1分40秒過ぎには、ベナビデスの右が入り、ヤードは足の位置をリセットする。
Keith Idecはザ・リングの上級ライター兼コラムニストで、Xでは @
idecboxing で連絡できる。
コンピュボックス統計:この試合でベナビデスは一切譲らなかった。ベナビデスは380発中159発(42%)をヒットさせ、ヤードは308発中58発(19%)にとどまる。ベナビデスはパワーパンチを120発着弾させた。ヤードは第7ラウンドでダウンし、倒れている状態での一撃によりベナビデスは減点を受ける。その後の連打でレフェリーが第7ラウンド1分59秒に試合を止めた。