ドミトリー・ビボルがWBCに対し、翌日に予定されているデビッド・ベナビデスの入札を前に王座を返上する意向を伝えていたことが、ザ・リングが入手した書簡によって明らかになった。これは、計画されているアルトゥール・ベテルビエフとの3戦目に進むための判断である。
ドミトリー・ビボル(24勝1敗12KO)は、今年2月にサウジアラビア・リヤドで行われたアルトゥール・ベテルビエフ(21勝1敗20KO)との再戦に勝利し、ライトヘビー級の4団体統一王座およびThe Ring王座を手にした。
マジョリティ・デシジョンでの勝利により、両者の対戦成績は1勝1敗のイーブンとなり、昨年10月にリヤドでマジョリティ判定負けを喫していたビボルが雪辱を果たしたかたちだ。34歳のビボルはThe Ringのパウンド・フォー・パウンドランキング4位に位置し、40歳のベテルビエフは同5位にランクされている。
第2戦は初戦よりもはるかにエキサイティングな内容となり、試合後にはリング上でトゥルキ・アル・シェイク総裁が、年内に第3戦「トリロジー」を実現させる意向を表明した。
「ボクシング関係者なら誰もが、アルトゥール・ベテルビエフとの第3戦に向けた合意があることを知っている。我々はその試合を成立させるために動いている」と、ビボルの弁護士であるパット・イングリッシュは、WBC会長マウリシオ・スライマン宛ての書簡で述べている。
「加えて、我々はランキング団体が、何年も前に設定された指名挑戦者のローテーション制度を守れていないことに落胆している。ご存知のとおり、次のビボル戦においてはIBFが、正当な理由をもって主導権を主張している」とも綴られている。
WBC会長のマウリシオ・スライマンは、SNS上で発表し、暫定王者だったデビッド・ベナビデスを正規王者へ昇格させることを明らかにした。
「たった今、ドミトリー・ビボルの弁護士パトリック・イングリッシュから冷淡で事務的な通知が届いた。あまりにも馬鹿げた主張が含まれていたため、内容には触れたくもないが、ビボルがWBCライトヘビー級王座を返上する決断を下したとのことだった。我々はビボルの成功を願うとともに、ここにデビッド・ベナビデスをWBC世界ライトヘビー級王者として正式に認定する」とスライマン会長はSNS上で発信した。
これにより、デビッド・ベナビデス(30勝0敗24KO)は、元スーパーミドル級王者カラム・スミス(31勝2敗22KO)との指名試合に臨む可能性が浮上している。スミスは現在ランキング上の次期挑戦者であり、2月に行われたビボル対ベテルビエフのアンダーカードでジョシュア・ブアツィに判定勝ちを収めたばかりだ。
ベナビデスは、The Ringのライトヘビー級ランキングで2位に位置し、トップのベテルビエフに次ぐ存在とされている。一方のスミスは3位につけている。
ベナビデスは、今年2月にデビッド・モレルに判定勝ちを収め、キャリア最高の勝利を挙げたばかりだ。“メキシカン・モンスター”は、今なおキャリアを決定づける一戦を求めているが、現時点ではその機会を待つことになる。
Mike Coppinger:The Ringボクシング情報通記者/元ESPNボクシング担当 X・Instagram:@MikeCoppinger