デビッド・ベナビデスは常にビッグマウスであり、その言葉を、目の前に立ちはだかる相手を次々となぎ倒すことで実証してきた。
WBCライトヘビー級王者であるベナビデスは、サウジアラビアで開催された「The Ring IV:Night of the Champions」のメインイベントで
アンソニー・ヤードと対戦し、7回TKOで王座防衛に成功した。
そして試合直後、ベナビデス(31勝0敗、25KO)は、クルーザー級へ階級を上げ、WBAおよびWBO王者
ギルベルト“ズルド”ラミレスに挑戦することを発表した。
リング誌パウンド・フォー・パウンド9位にランクされているベナビデスは、今後も他人に左右されることなく、自らの道を突き進み、長く語り継がれるレガシーを築いていく構えである。
「皆に、声明を出すと言ってきた。そして実際にそれを成し遂げたと思っている。ヤードは本気で戦いに来たが、ここは俺の世界だ。誰にも邪魔はさせない」とベナビデスは試合後会見で語った。
「本当はこの試合で
ドミトリー・ビボルと戦いたかった。統一王者になるために、ずっと望んできた相手だ。だが、向こうで何が起きているのか分からない。もう誰かを待つつもりはない。これ以上、時間を無駄にしたくないんだ」
28歳のベナビデスには、若さと時間、そしてキャリアの最盛期が残されている。一方、彼が追いかける側にいるアレクサンデル・ベテルビエフはまもなく41歳、ビボルは34歳から35歳へ、サウル“カネロ”アルバレスは35歳、ラミレスは34歳となる。
ベナビデスが現在175ポンドのWBC王座を保持しているのは、リング誌および統一王者であったビボルが、ベテルビエフとの3度目の決着戦を優先し、ベナビデスとの対戦を選ばなかったためである。その結果、ベナビデスは暫定王者から正規王者へと格上げされた。一方のビボルは、その後に
背中の手術を受けて戦線離脱しており、現時点でベテルビエフ戦の実現は遠い状況にある。
「彼らは、俺が今テーブルに並んでいる中で最も危険な存在だということを分かっている」とベナビデスは言う。「実際、俺がこれまで対戦してきた一流選手たちは、すべて俺が格の違いを見せてきた。カネロ、ビボル、ベテルビエフ――彼らは皆、俺が極めて厄介な相手だと分かっている。もし俺が簡単な相手だと思っているなら、とっくに黙らせているはずだ。俺は自分自身、自分の技術、そして打たれ強さに100パーセントの自信を持っている」
「俺は偉大さを手にしたい。そのために、クルーザー級でラミレスの2つのベルトに挑戦できるチャンスを得た。ならば、行くしかないだろう。機会があるのなら、なぜ挑まない? 168ポンドではその機会を与えられなかった。175でも同じだ。だから俺は自分で道を切り開き、どんな形でも偉業を成し遂げる」
ベナビデスは、ラミレスを撃破した場合、アルバレス、ビボル、ベテルビエフとの対戦が可能となれば、再びライトヘビー級へ戻って戦う意向であることも明かした。それが叶わなければ、リング誌およびIBFクルーザー級王者
ジャイ・オペタイアとの対戦に目を向ける可能性が高い。
「両階級での2階級制覇王者になりたい」とベナビデスは語る。「あの連中との175ポンド戦が実現するなら、喜んで受ける。俺はファイターとして、自分を証明するためにここにいる。目指すのは“偉大な選手”の一人になることだ」
Manouk Akopyanは『ザ・リング・マガジン』の主任記者である。 X (旧Twitter)およびInstagramでは@ManoukAkopyanで連絡可能。