エディ・ハーンが「敗者は去る」一戦と位置づけた
パドレイグ・マクロリー戦で8回TKO勝ちを収めてから4カ月、
クレイグ・リチャーズは再び試合の知らせを辛抱強く待っている。
2021年5月にWBA世界ライトヘビー級王座をかけて
ドミトリー・ビボルに挑戦した35歳のロンドン出身リチャーズは、その後、リング誌のトップ10にランクされる
ジョシュア・ブアツィと
ウィリー・ハッチンソンに12回判定で敗れている。
2024年6月、サウジアラビアで行われたクイーンズベリー対マッチルームの5対5対抗戦で、ビッグマウスのスコットランド人かつ試合前は大方の予想で格下と見られていた相手に手玉に取られ完敗を喫したことで、「スパイダー」にとって引退は現実的な選択肢だと多くの人が感じていた。
しかしそれから9カ月後、敵地ベルファストで行われた試合でリチャーズはマクロリーを序盤から圧倒し、ルイス・クロッカー対パディ・ドノバンの物議を醸したメインイベントの前座として登場しながら、試合を途中で終わらせる内容で士気を高める勝利を挙げた。
それ以来、175ポンド級では国内外ともに多くの動きがあり、リチャーズは自分の居場所を見極めようとしている。4月と5月には
ベン・ウィテカーと
エズラ・テイラーが、それぞれ成長を感じさせる勝利を挙げた後、ブラッド・リアがリチャーズの元対戦相手シャカン・ピッターズを12回の接戦で下し、
EBU王座を獲得した。先週発表された通り、新たな階級でWBC世界王者となったデビッド・ベナビデスは、初防衛戦でアンソニー・ヤードと対戦する。一方、英国王者ルイス・エドモンドソンは、
来週末に行われるオレクサンドル・ウシク対ダニエル・デュボア第2戦のアンダーカードで、WBA世界ランキング8位のダニエル・ラピンを相手に、自身の実力を際立たせる絶好のチャンスを迎えている。
新たにシェーン・マクギガンをトレーナーに迎えたハッチンソンは、左肩の重傷により予定されていたザック・パーカー戦が流れたことを受け、失った時間を取り戻したいという思いを最近強調している。一方、元WBO暫定世界王者の
ブアツィは、今年後半に世界レベルの相手と再び対戦する前に、課題をしっかり修正する必要があると『ザ・リング』に語っている。2月22日に行われた激闘でジョシュア・ブアツィの無敗記録を奪い、早くも2025年の「年間最高試合」候補に挙げられているカラム・スミスは、ベナビデスとの対戦を熱望していた。
しかし、現在は自身でキャリアを管理しているリバプール出身のスミスは、提示された報酬額に満足していなかったと報じられ、代わりにアンソニー・ヤードが喜んでそのオファーを受け取り、3度目の世界タイトル挑戦に臨むことになった。
そんな中、マッチルームの代表エディ・ハーンはBoxingSceneとのインタビューで複数の選択肢を挙げ、その“調整試合”的な位置づけの中にクレイグ・リチャーズの名前も含まれていた。
「うちの選手コナー・ウォレスもいるが、彼はマイケル・アイファートとIBF世界タイトルをかけて戦う可能性がある。クレイグ・リチャーズもビッグファイトを探して動いているし、カリル・コーも大きな試合を終えたばかりだ。パーカーもクイーンズベリーにいる。だから、ビボル対ベテルビエフの状況を見守りながら、トップ15の中から相手を探す形になるだろうね。」
今年すでにWBC王座を返上しているビボルは、IBFから知名度の低い指名挑戦者マイケル・アイファート(13勝1敗、5KO)との
対戦を命じられたことを受けて、IBF王座も同様に返上する可能性が高い。ビボルは代わりに、1勝1敗の戦績となっているベテルビエフとの第3戦をロシアで実現させようとしているが、
そのラバーマッチには現時点で明確な日程は決まっていない。
ニュージャージー出身のカリル・コー(10勝1敗1分、8KO)は、5月30日に行われたマヌエル・ガジェゴスとの再戦で、自身が9回KO負けを喫した前回の敗戦を
6回KOで見事にリベンジ。その直後、以前から
抱いていた英国人コンテンダー、ジョシュア・ブアツィとクレイグ・リチャーズとの対戦希望を改めて強調した。
リチャーズの現状について『ザ・リング』から尋ねられた際、彼のトレーナーであるトニー・シムズは「まだ日程の連絡を待っている」と語った。
「いま、何かを最終調整しているところだ。彼も向こう側も普通の試合は望んでいない。クレイグにとっては相手が誰であれビッグファイトになる。だから今は、その連絡を待っているんだ。」
現在、主要4団体のいずれのランキングにも名を連ねていないリチャーズだが、果たして上位選手たちが彼との対戦を受け入れるかは不透明なままだ。