アメリカのライトヘビー級ボクサー、カリル・コーは、メキシコ・グアダラハラのドモ・アルカルデで行われた再戦で
マヌエル・ガジェゴスを打ちのめし、第5ラウンド終了後に相手陣営が試合を止めたことで、第9ラウンドTKO負けの雪辱を見事に果たした。
鋭く力強い動きを見せたコーは、衝撃的なジャブと強烈な右を繰り出し続け、6か月半前に自身唯一の黒星をつけたハードパンチャーのメキシコ人ベテランに対して、効果的なディフェンスも披露した。
ニュージャージー州ジャージーシティ出身のコーは、戦績を10勝1敗1分(8KO)とし、8度目のKO勝利を挙げた。一方のガジェゴス(21勝3敗1分、18KO)は、直近3試合で2度目のKO負けとなった。
28歳のコーにとって今回の雪辱戦でのパフォーマンスは、観客を沸かせた初戦での内容とはまったく正反対だった。
「前回の試合では、身体的にも内臓的にも多くの問題を抱えていた」とコーはリング上で語った。「試合前に2回も入院していた。それが大きな違いを生んだんだ。今回はキャンプを通してまったく問題がなく、100%のコンディションのコーだった。それが結果につながったんだよ」。
ガジェゴスは初戦でコーを4度ダウンさせた――それは5回、7回、8回、そして9回のラウンドだった。コーは、2023年11月9日にペンシルベニア州フィラデルフィアのウェルズ・ファーゴ・センターで行われたジャロン・エニス対カレン・チュカジアンのアンダーカードにおいて、後半5ラウンドを通じて苦境からの逆転を試み続けた。
しかし、9回開始からわずか7秒で4度目のダウンを喫した時点で、レフェリーのエリック・ダリはコーが過度のダメージを受けたと判断し、試合をストップした。
コーは今週『ザ・リング』誌に対し、ガジェゴスとの初戦の3週間前までに2度入院していたことを明かした。この実績あるアマチュア出身のコーは、マネージャーのキース・コノリーにも、プロモーターのエディ・ハーンにもその事実を伝えておらず、試合を辞退すべきだったと認めている。
反省したコーはトレーニング方法を見直し、とくにセッション間の回復時間をしっかり確保するようにしたほか、今回は以前よりも軽い体重でキャンプ入りした。
適切な準備を経たことで、コーは金曜夜、本来の実力を発揮することができた。
第5ラウンドでは一方的にガジェゴスを打ち込む展開となり、それを見たガジェゴス陣営が10回戦として予定されていた試合を終了させた。
第4ラウンドの序盤、開始から40秒弱のところで、コーは右をヒットさせた。不要な被弾を避けようとする意識も高く、ガジェゴスのパンチをかわす場面も目立った。
第3ラウンドでは、コーが主導権を握り続け、ガジェゴスを下がらせた。ガジェゴスはすでにかなりの打撃を受けており、積極的に攻めるコーに対して有効打を出せない状況に追い込まれていた。
第2ラウンド中盤には、コーの強烈なジャブがガジェゴスを後退させた。
初回の終盤には、コーのパワージャブがガジェゴスの頭を後方にはじき、その衝撃で鼻筋をカットさせた。ラウンド終盤にはガジェゴスがインサイドで放ったショートの左がコーの注意を引いたが、コーはすぐに立て直し、ラウンドの後半を有利に進めた。
Keith Idec は『ザ・リング・マガジン』の上級記者兼コラムニスト。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡可能。