ロサンゼルス発 —— IBF世界スーパーウェルター級王者バフラム・ムルタザリエフは、この階級の“ブギーマン”と見られている。

ムルタザリエフ（23戦23勝無敗、17KO）は、昨年10月にティム・チューを圧倒して以来、試合が組まれていない。オーストラリア人を4度倒し、3ラウンドTKOで勝利したのだ。

衝撃的な初防衛の結果は、有力挑戦者や王者たちが彼を避ける動きにつながっているようだ。

「自分と戦うとなると、誰もがビジネス的な判断をしているように見える」と、ムルタザリエフはモントローズのKD MMAジムでヘッドコーチのローマ・カランタリャンと行った最近のトレーニング後に『ザ・リング』へ語った。

ムルタザリエフと指名挑戦者エリクソン・ルビンの試合を実現することさえも難航している。ルビンはどうやら10月にヴァージル・オルティスとの試合を選んだようだ。

ムルタザリエフが最近呼びかけたWBC王者セバスチャン・フンドラとの対戦要求は返答がないままだ。フンドラは3月にショーダル・ブッカーをKOし、7月の再戦でティム・チューを倒すと、現在は10月のキース・サーマン戦に向かっている。

一方で、ザンダー・ザヤスは7月26日にホルヘ・ガルシア・ペレスを判定で下し、フンドラが対戦を避けて返上したWBO王座を手にした。

「フンドラは、この階級の誰にとっても非常に厳しい相手だ」とムルタザリエフは語る。「彼がチューに何をしたか見ただろう。でもチューは俺と戦った後、もう同じファイターじゃなかった。もしフンドラが自分にとって一番難しい相手だと思うなら、望むところだ。俺は最も厳しい試合を求めている。1年間ずっと彼を呼び出してきたが、彼らは試合を望まなかった。自分に何ができる？」

「そして今、ザヤスが王者になったことで、ファンにとってより面白い試合になる。ぜひ彼と戦いたい。彼は素晴らしいファイターだし、俺が欲しいベルトを持っている。まだ若いが、いま高いレベルの試合に足を踏み入れている。」

ムルタザリエフの試合を実現するのは難しい仕事だと、プロモーターのキャシー・デュヴァは『ザ・リング』に語る。トゥルキ・アル・シェイクも同意するかのように、十分なファイトマネーを提示しても「相手が怖気づいて姿を消した」と明かしている。

ムルタザリエフは、自分を除いた154ポンド級のトップファイターとして、フンドラ、オルティス、そして新たに台頭してきたジャロン・エニスの名を挙げた。

今年初め、オルティスのプロモーターであるオスカー・デ・ラ・ホーヤは、ムルタザリエフ戦は好ましくないと発言していた。一方、エニスは10月に無名のウィスマ・リマを相手に154ポンド級デビューを果たす予定だ。

「もうすぐ1年近く試合をしていない」とムルタザリエフは語る。「もしかしたら戦い方を忘れてしまったかもしれない。試合をしないのは良くない。自分は世界王者なのだから、少なくとも年に2回は試合をしてアクティブでいる必要がある。試合から離れると勘が鈍るんだ。

実戦で距離やパンチを測るのが難しくなる。そうやってラウンドを無駄にするのは大きな不利になる。でもその間に、美しい家族と過ごしながら技術を磨いている。ほかに自分に何ができる？」

Manouk Akopyan は『ザ・リング』の主任ライター。Xとインスタグラムで @ManoukAkopyan をフォローできる。