セバスチャン・フンドラは、土曜の夜にリングでのブランクを一切感じさせなかった。
“タワリング・インフェルノ”ことフンドラは、約1年ぶりの復帰戦となったこの試合で、サウスポー同士の対決となったコーディル・ブッカーを4ラウンドでストップ。会場はラスベガスのマンダレイ・ベイ・リゾート&カジノ、ミケロブ・ウルトラ・アリーナ。
身長6フィート6インチ(約198cm)のフンドラは、2発の強烈なアッパーカットを決めてブッカーをダウンさせ、最終的にレフェリーのトーマス・テイラーが、33歳のブッカーへの不要なダメージを避ける形で試合をストップした。
身長5フィート9インチ(約175cm)のブッカーは、試合が止められた時点ではまだ立っていたが、レフェリーのトーマス・テイラーは、第4ラウンド2分51秒で予定されていた12回戦・154ポンド級タイトルマッチをストップした。カリフォルニア州コーチェラ出身の大本命セバスチャン・フンドラ(22勝1敗1分、14KO)は、Amazonプライム・ビデオで配信された三大メインイベントの最終試合で勝利し、WBCとWBOの2つの王座を防衛した。
「前回の試合からずっと準備はできていると感じていた」とフンドラは試合後に語った。「この1年間、本当に一生懸命トレーニングしてきた。そして今日、無事に2つのタイトルを防衛できた。ここからは可能性が無限に広がっている。今夜は、自分がパワフルなファイターであることをファンに示せたと思う。もともとパワーには自信があったけど、今回はさらにそれを証明できたよ。」
27歳のフンドラにとって、今回の試合は昨年3月30日にT-モバイル・アリーナでティム・チューをスプリット判定で破った一戦以来の復帰戦だった。オーストラリアのチュー(24勝2敗、17KO)は、その試合の第2ラウンド終了間際に額の中央付近を大きくカットし、以降激しく出血しながらも接戦を演じていた。
しかし、今夜のフンドラにはそのようなトラブルは一切なかった。『ザ・リング』誌のジュニアミドル級ランキングで5位に位置する彼は、より高く、鋭く、そして強く――すべての面で優れており、危なげない内容で勝利を収めた。
「キャンプではサウスポーすら呼ばなかったよ」とフンドラは語った。「大事だったのは、相手のフットワークを見切ること。ブッカーはまったく打ち合う気がなかったから、ボディから崩していった。第3ラウンドでダメージを与えてからは、明らかに動きが鈍くなったね。」
ブッカー(23勝2敗、11KO)は、この敗戦で6連勝の勢いがストップ。プロ9年目にして、キャリア2度目のストップ負けを喫することになった。最初のKO負けもサウスポーの相手によるもので、2022年4月、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでオースティン “アモ” ウィリアムズに初回でストップされている。
それから約3年後――フンドラは第4ラウンド残り50秒ほどの場面で、左アッパーカットをヒットさせ、ブッカーをぐらつかせてロープ際に追い込んだ。続けて放たれた2発の左アッパーカットで、ブッカーは完全にバランスを崩し、足元がふらついた。
そして、ラウンド残り約40秒のところでブッカーはついにダウン。カウントには立ち上がったものの、そこから長くは持たなかった。フンドラの猛攻の前に、レフェリーが試合を止めるのは時間の問題だった。
ドラフトキングスで14対1の大本命とされていたフンドラは、フィニッシュの気配を察知すると、ロープ際に追い込んだブッカーに対して怒涛のパワーパンチを浴びせかけた。レフェリーのトーマス・テイラーは即座に2人の間に割って入り、試合をストップした。
第3ラウンドでは、ブッカーもフンドラの頭部とボディにパンチをヒットさせたが、いずれもフンドラに大きなダメージを与えることはできなかった。王者フンドラはラウンドを通してプレッシャーをかけ続け、残り40秒を切ったところで左アッパーカットを決め、ブッカーはクリンチで応戦せざるを得ない状態に追い込まれていた。
第2ラウンド残り1分20秒を少し過ぎたところで、フンドラがブッカーの後頭部を打ったため、レフェリーのトーマス・テイラーが一時的に試合を中断。テイラーがフンドラに警告を与えると、ブッカーは文字通り頭を振ってそれを振り払うようにし、試合は再開された。
第1ラウンド中盤を過ぎたあたりでは、フンドラのストレートの左がヒットし、ブッカーは足元の体勢を立て直す場面も見られた。だがその約10秒後、前に出てきたフンドラに対して、ブッカーは右フックを的確に当て、序盤は互角の攻防を演じていた。
フンドラは、第1ラウンドを通して安定したジャブを打ち込み、それがラウンドを制する決め手となった。そしてアッパーカットが当たり始めると、彼の意識は自然と今後の154ポンド級でのビッグファイトに向けられるようになった。
「妹のように、僕も4団体統一王者になりたい」とフンドラは語った。彼の妹、ガブリエラ・フンドラ(22歳)は女子フライ級の4団体統一チャンピオンとして君臨している。
「次の相手が誰であれ、準備はできてる。IBF王者のバクラム・ムルタザリエフともやりたいし、WBOの指名挑戦者であるザンダー・ザヤスとも戦いたい。そしてエロール・スペンスJr.とも対戦したい。僕は2つのベルトを持っている。防衛するのは当然だけど、もし統一戦を望む相手がいるなら、それもぜひやろうじゃないか。」
Keith Idecは『ザ・リング・マガジン』の上級ライター兼コラムニスト。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡を取ることができる。