『The Ring』誌は1925年に部門別の格付を初めて導入した。それから一世紀、これらの独立したランキングは、世界ボクシング界で最も宗教され、話題になっていると言っても過言ではない。
「The Ring」の格付パネルは、世界各地から集まった12名の専門家によって構成されており、意見を出し同し、誰がどの位置に入るべきかの最終決定は毎週民主的な税判によって行われる。一見簡単に見えるが、これはしばしば非常に手間と時間を要する。
ここでは、各階級を軽い階級から重い階級へと逆順に見ていく。ミニマム級からヘビー級までをたどりながら、ランキングされている各選手の実績を確認し、今後の展開を占う水晶玉をのぞくつもりで未来を予想していく。
2025年前半は大変調の勢いであったが、ここで各重量級のブレークダウンを一度整理する。
7部第は147パウンドのウェルター級。この重量級はここ数年で最も弱低な状態にあり、一般的なエリート級の手が揃っておらず、先日は先代チャンピオンのジャロン・エニスが、新たな挑戦を求めてより成長の期待できる温和な体重のジュニアミドル級に移置したことで、さらに迷惑を受けた。
しかし、良いニュースもある。ジュニアウェルター級の有力選手たちが移置して、かつての魅力をもたらす可能性がある。詰めかけや意見の畳いは大歓迎であるが、他者の意見を尊重する姿勢は失わないでほしい。
第1位 - ブライアン・ノーマン・ジュニア
戦績:28戦28勝(22KO)
過去: ノーマンは17歳でプロデビューを果たし、修行の場として頻繁にメキシコで試合を重ねた。Top Rankと契約した後にいくつかの障害を乗り越え、クイントン・ランドールを10ラウンドにわたって圧倒し、その後、ジオバニ・サンティヤンの地元であるサンディエゴのファンの目前で彼を打ちのめして、WBO暫定王座を獲得したことで頭角を現した。
24歳の彼は、その後正規王者に昇格したことでさらに一段階レベルアップしたように見えた。3月にはデリエック・クエバスをTKO3回で下し、その3か月後には日本のアウェーの地で佐々木尽を5回KOで沈め、
年間ノックアウト賞の候補にも挙がるインパクトを残した。
未来: ノーマンは、2025年11月22日にサウジアラビア・リヤドにて、2階級制覇王者
デビン・ヘイニーとのキャリア最難関の試練に挑むことになる。
第2位 - エイマンタス・スタニオニス
戦績: 15-1 (9 KOs)
過去: スタニオニスは、2016年のオリンピックで優れたアマチュアキャリアを終えたのち、プロへ転向した。現在31歳のリトアニア人はアメリカに移り、アグレッシブなスタイルでプロの世界にも素早く適応した。
彼は、ジャスティン・デローチ(9回KO)、トーマス・デュロルメ(12回判定勝ち/ユナニマス)、そして無敗だったラジャブ・ブタエフ(12回判定勝ち/スプリット)を破り、WBA王座を獲得した。しかし、
バージル・オルティスとの対戦は実現せず、彼は長期にわたりリングから遠ざかることとなった。2024年5月にはガブリエル・マエストレと対戦し、12回判定勝ちで復帰を果たしたが、その後2025年4月12日にIBF王者ジャロン・エニスとの王座統一戦に臨み、第6ラウンド終了時に棄権(RTD)して敗北を喫した。
未来: スタニオニスは、2025年9月27日にリトアニア・カウナスで、ジュバラニ・マケンセ(16勝2敗、8KO)との凱旋試合に臨む。
第3位 – ジオバニ・サンティヤン
戦績: 34勝1敗(18KO)
過去: サンティヤンは2012年にプロ転向を果たした。彼のキャリアはややスロースタートで、2020年になるまで大きな注目を集めることはなかった。同年、ラスベガスのMGMグランド内の「ザ・バブル」で元ライト級王者で衰退したアントニオ・デマルコに対し、10回判定勝ち(マジョリティ)を収めて存在感を示した。
その後数試合を経て、アレクシス・ロチャを6回KOで下し、キャリア最高のパフォーマンスを見せた。しかし、ようやく本物と信じられ始めた矢先、2024年5月に前述のノーマンとの地元凱旋試合で10回KO負けを喫し、大きな敗北を経験することとなった。33歳のサウスポーである彼はその後、2連勝を挙げており、2025年5月10日にはエンジェル・ベルトランに10回判定勝ちしている。
未来: 現時点で次戦の予定はないが、秋に再びリングに上がることが予想される。
第4位 – ロハン・ポランコ
戦績: 17勝0敗(10KO)
過去: ポランコはドミニカ共和国代表として、2020年(開催は2021年に延期)オリンピックに出場した。プロ転向後は順調にキャリアを積み重ね、2023年7月にはセサル・フランシスを5回TKO、同年12月にはキース・ハンターを6回TKOで下し、注目を集めた。対戦相手のレベルが上がるにつれて、26歳の彼自身も成長を遂げ、2024年2月には1敗のみだったジャン・カルロス・トーレスを2回KOで仕留めた。さらに、5月には元タイトル挑戦者ファビアン・マイダナを10回判定勝ち、7月26日にはクイントン・ランドールを同じく10回判定勝ちで退け、堂々たる戦績を築いている。
未来: プロモーターであるTop Rankの秋シーズンのスケジュールに登場する見込みであり、現在進行中のテレビ放映契約の調整が完了し次第、発表されるだろう。
第5位 - シャフラム・ギヤソフ
戦績: 17勝0敗(10KO)
過去: ギヤソフはアマチュア時代において際立った存在であり、2016年のオリンピックでは銀メダルを獲得、さらに2017年の世界選手権では金メダルを手にした。2018年初頭にプロへ転向後、当初は140ポンド級でキャリアを積み始め、のちに147ポンド級に定着した。
32歳の彼は、クリスチャン・ゴメスに対して10回判定勝ち(UD)、ハロルド・カルデロンには12回判定勝ち(UD)、衰えの見える元タイトル挑戦者パブロ・セサール・カノには11回負傷判定勝ち(TD)を収めている。しかし、2024年7月のミゲル・パーラ戦ではスプリット判定(SD)で辛勝するなど、苦戦も見られた。その後、2025年4月12日にはフランコ・オカンポとの試合で4回KO勝利を収めたが、これはコンディション維持のための“調整試合”であった。
未来: ウズベキスタン出身のギヤソフのキャリアは、ここ最近足踏み状態が続いており、長らく待望されているビッグチャンスの兆しは今のところ見えていない。WBAランキングでは1位につけており、新王者ロランド・ロメロにとっての潜在的な脅威と見なされているが、それが次戦となるかどうかは不透明である。
第6位 - アレクシス・ロチャ
戦績: 25-2-1 (16 KOs)
過去: ロチャはアマチュアでも優秀な成績を残しており、プロ転向後は16連勝という好スタートを切った。しかし2020年10月、ラシディ・エリスとの試合で12回判定負けを喫し、初黒星を喫した。28歳のサウスポーはその後、ブレア・コッブス(KO9)、ジョージ・アシー(KO7)、アンソニー・ヤング(KO5)といった相手に勝利を収め、WBOの指名挑戦者の地位を確保するまでに立て直した。
しかし、2023年10月にはジオバニ・サンティヤンに6回KO負けを喫し、その勢いに陰りが見えた。だが2024年3月にはフレデリック・ローソンにRTD7で勝利し、7月には無敗だったサンティアゴ・ドミンゲスにUD10で勝利。しかし、2024年12月にはラウル・クリエルとの試合でドロー(D12)に終わった。
未来: 今年の活動はまだ始まっていない。秋のGolden Boy興行で出場枠を確保できるか注目される。
第7位 - ラウル・クリエル
戦績: 16勝0敗1分(14KO)
過去: クリエルは国際的な舞台でも戦った才能あるアマチュア選手で、World Series of Boxingにも参戦し、2016年にはメキシコ代表としてオリンピックに出場。プロデビューは2017年5月、カネロ対フリオ・セサール・チャベス・ジュニア戦のアンダーカードだった。
2022年6月にはフェルディナンド・ケロビアンを9回KOで下して空位のNABF王座を獲得。その後この王座を5度防衛、いずれもKO勝利だった。昇格試合として2024年には同じプロモーションのアレクシス・ロチャと対戦し、12回ドロー(D12)となった。そして2025年6月28日には無敗だったビクトル・ロドリゲスを4回KOで撃破。
未来: 所属するGolden Boyが年内に彼をどこかの大会に組み込めることを彼は望んでいる。
第8位 - マリオ・バリオス
戦績: 29勝2敗2分(18KO)
過去: バリオスは10代でプロデビューし、当初はスーパーバンタム級でキャリアをスタート。その後体格が成長し、140ポンド級および147ポンド級で世界王座を獲得した。空位のWBA・140ポンド王座はバティール・アフメドフとの試合でUD12勝利を収めて獲得。しかし2度目の防衛戦で
ジャーボンテイ・デービスにTKO11で敗れ王座陥落。その後ウェルター級に転級し、2022年2月にはキース・サーマンにUD12で敗れたものの、ヨルデニス・ウガスにUD12で勝利しWBC王座を獲得。以降はファビアン・マイダナ(UD12)、アベル・ラモス(D12)、そして2025年7月19日にはマニー・パッキャオ(D12)と引き分けで初防衛を果たした。
未来: パッキャオとの再戦で決着をつける流れになる可能性がある。
第9位 - マニー・パッキャオ
戦績: 62勝8敗3分(39KO)
過去: パッキャオは1995年に16歳でプロデビュー。当時はまだ10代だったにもかかわらず、WBCフライ級王座を獲得(2度目の防衛戦で喪失)。その後スーパーバンタム級に転級し、現代ボクシング史上でも特筆すべき快進撃が始まる。
以降、スーパーバンタム級、スーパーフェザー級、ライト級、ウェルター級、スーパーウェルター級で世界王座を獲得。フェザー級とスーパーライト級ではラインアル王座も獲得しており、マルコ・アントニオ・バレラ(TKO11/UD12)、リッキー・ハットン(KO2)、ミゲール・コット(TKO12)などに勝利した。
フアン・マヌエル・マルケスには2勝1敗1分、エリック・モラレスには2勝1敗。2015年5月にはフロイド・メイウェザーJrに12回判定で敗れている。
2019年7月にはキース・サーマンの無敗記録を止め、WBA王座を奪取。その後ヨルデニス・ウガスにUD12で敗れ、引退状態となったが、
約4年のブランクを経て2025年に現役復帰し、バリオスとの試合ではD12と健闘を見せた。
未来: 46歳のパッキャオはWBCランキングで1位に位置づけられており、バリオスとの再戦が期待される。WBA王者であるロランド・ロメロとの対戦も噂されている。
第10位 - エコウ・エスーマン
戦績: 22勝1敗(8KO)
過去: ボツワナ生まれのエスーマンは11歳でイングランドに移住。チームGBに選抜され、27歳と比較的遅い年齢で2016年にプロ入りを果たした。プロとしての基盤を固めたのち、2021年7月にクリス・ジェンキンスをTKO8で下して英連邦およびイギリス王座を獲得。
その後4度の防衛に成功したが、2023年11月にはハリー・スカーフにUD12で敗れて王座陥落。その後2024年に2連勝を挙げ、2025年5月24日には元『The Ring』王者かつスーパーライト級4団体統一王者のジョシュ・テイラーをUD12で
破る大金星を挙げた。
未来: テイラー戦の勝利を足がかりに、今後さらに大きな試合に繋げることを期待している。
注目の次点選手
ジャック・キャタロール、カレン・チュカジアン、ルイス・クロッカー、パディ・ドノバン、デビン・ヘイニー
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