井上尚弥は
ムロジョン・アフマダリエフを凡庸に見せつけたばかりで、年末へ視線を移し、2026年初頭に実現が見込まれる
中谷潤人とのメガファイトに向けて布石を打った。
スーパーバンタム級4団体統一王者であり、パウンド・フォー・パウンドで
テレンス・クロフォード、
オレクサンドル・ウシクに次ぐRing3位の井上尚弥は、10年以上ぶりとなる最も多忙な1年を迎えることになる。
WBCライトヘビー級王者
デビッド・ベナビデスが11月にリヤド・シーズンで初登場を果たし、翌月にはもう一人のパウンド・フォー・パウンドのスターがサウジのリングに姿を現す。
彼がこれほど多忙だったのは2013年以来で、そのときは連勝を重ねてWBCジュニアフライ級王座挑戦の機会を手にした。12年を経て4階級制覇を成し遂げた井上尚弥(31勝0敗, 27KO)は、キャリアで3人目となる無敗の相手と対戦する。
Ring V:ナイト・オブ・ザ・サムライは、リヤドの収容人数2万2000人のモハメド・アブド・アリーナで開催され、
DAZNを通じて世界中に生配信される。
メキシコの
アラン・デイビッド・ピカソ(32勝0敗1分, 17KO)が「モンスター」の対戦相手となる。25歳のピカソは7月19日、井上尚弥の同胞・亀田京之介に10回戦で2-0の判定勝ちを収め、2025年の戦いをスタートさせた。
RingとWBC・IBF統一バンタム級王者の中谷潤人(31勝0敗, 24KO)は、無敗王者同士によるオールジャパン対決で井上尚弥と拳を交える意思を明確にしており、再び階級を上げるにあたってバンタム級(118ポンド)の王座を返上する見込みだ。
6月に西田凌佑を粉砕した中谷は、次戦で3人連続となる無敗の相手、セバスチャン・エルナンデス(20勝0敗, 18KO)と拳を交える。
この24歳はメキシコで名を上げた後に米国へ拠点を移し、現在はカリフォルニア州サンディエゴを拠点とする。過去1年の間にボブ・アラムがプロモートした興行でヨンフレス・パレホ、アザト・ホヴァニシアンを相手に対照的な勝利を収めている。
タイトル戦が並ぶ盛況なアンダーカードでは、元2階級制覇王者の寺地拳四朗が再起を狙う。7月30日に
リカルド・ラファエル・サンドバルに2-1の判定で番狂わせの敗北を喫し、WBC・WBA王座を失っている。
33歳の寺地は階級を上げ、IBF王者
ウィリバルド・ガルシア(23勝6敗2分, 13KO)にスーパーフライ級(115ポンド)で挑戦する。35歳のガルシアは、
レネ・カリスト・ビビアーノとの2試合で計24ラウンドを戦い、6か月間にわたり互角の勝負を演じてきた。
Ring王者
ジェシー・ロドリゲスは前月、RingIV大会でフェルナンド・マルティネスと3団体統一戦に臨む。そのため、フライ級でわずか1年足らず戦った寺地が、さらに上の階級でどのようなフィジカルを見せるのか注目される。
日本のライト級、今永虎雅(9勝0敗, 5KO)には大きな期待がかかる。先週末の名古屋興行で井上尚弥と同じリングに立ったばかりで、今回も井上同様に短い間隔で再び試合に臨むことになる。
今永は村上雄大(6勝3敗1分)に一方的な判定勝ちを収め、日本ライト級(135ポンド)王座を獲得した。次戦ではフロリダを拠点とするキューバのコンテンダー、アルマンド・マルティネス(16勝0敗, 15KO)と対戦する。マルティネスは、階級情勢が王者たちの動向によって不透明な中で、WBA世界ランキング4位の地位を奪い取ろうとしている。
「ザ・リング・マガジン」のアンバサダーを務める堤兄弟は、2025年を強く締めくくろうとしている。
堤怜人(3勝0敗, 2KO)は先週末、カネロ対クロフォードのアンダーカードでハビエル・マルティネスを初回で仕留めた。次戦では大きなステップアップとなるレオバルド・キンタナ(11勝1敗, 5KO)と対戦する。同世代のメキシコ人は55ラウンド多く戦い、2022年からプロとして活動している。一方、3年前にプロ転向した別の選手もすでに初の世界タイトル挑戦を手にしている。
堤駿人(8勝0敗, 5KO)は、8月のモーゼス・イタウマ対ディリアン・ホワイトのアンダーカードで、百戦錬磨のプロ、カイス・アシュファクを相手に危なげない内容を見せ、
必然ともいえる3回TKOで葬り去った。そして次戦では、好調のジャザ・ディケンズ(36勝5敗, 15KO)と対戦する。リヴァプール出身のディケンズは7月、
アルベルト・バティルガジエフを驚かせて下し、WBAスーパーフェザー級暫定王座を獲得している。