激しいスタート、攻撃的な中盤、そして怪我を負わせる終盤で、
西田涼介はボロボロになってリングを後にした。一方、中谷潤人は無敗同士の王者対決で、東京有明コロシアムにてWBCとIBFのバンタム級世界王座を統一し、空位のリング誌ベルトも獲得した。
2026年に井上尚弥とのスーパーファイト実現の可能性を残した。
中谷潤人(31勝無敗24KO)はその実績と称賛されるパンチ力から明らかな本命とされ、一方の西田涼介(10勝1敗2KO)はこの試合を「ビッグバン」と「ブラックホール」の対決と表現し、観客を魅了する王者同士の好勝負となった。勝者はただ一人だった。
両者の統一戦は、維持できないほどの激しいペースで始まった。中谷は近距離からアッパーカットを振り回し、鋭いフックやカフショットをあらゆる隙間で浴びせた。
中谷は2連打、3連打とパンチを繰り出し、西田は効果的なボディショットで応戦したが、試合前の本命だった中谷は攻撃的に反応し、自分がそれほど多くヒットを受けていることにほとんど不快感を示していた。
残り1分の第2ラウンドで、中谷が左右の強烈な左を的確にヒットさせたのが印象的だった。西田は何か違う戦術を取らなければならないことを感じていた。さもなければ、この試合は後半に一方的に終わってしまうだろうと。
WBC王者は西田のガードを破ろうと連続でアッパーカットを繰り出したが、トレーナーのルディ・ヘルナンデスは戦法を変えるよう促した。対戦相手が6分間にわたり同じ攻撃パターンを予測し始めていたからだ。
第3ラウンド、中谷は跳躍する右フックで猛攻を仕掛けた。西田の巧妙なパンチ力が彼を警戒させていたが、時間の経過とともに、両者の著しいパンチ数の差が徐々に広がっていった。
第4ラウンドでは西田も応戦したが、会場のアンダードッグへの声援は、中谷の強烈な左ストレートによってかき消された。 第5ラウンドで猛攻を仕掛ける中、西田の右目は急速に腫れ上がり、医師の簡単な診察を経て、中谷はすぐに攻撃を再開。より大きく振り回す強烈な一撃を連発し、第6ラウンドも同様の展開が続いた。IBF王者の顔は痣だらけとなり、防御も次第に崩されていった。
ラウンド間に中谷の笑みは、不気味な予兆のように感じられた。思いやりを持って、ラウンド間に試合終了が宣告され、西田は負傷した肩と腫れ上がった目を抱えながらも、奮闘したものの惜しくも王座獲得に失敗し、温かい拍手に包まれてリングを後にした。
那須川、連勝を飾る
一方、今夜のメインサポートカードでは、勢いに乗る挑戦者・那須川天心(7勝無敗2KO)がノックアウトを逃したことを詫びつつも、ビクター・サンティラン(14勝2敗5KO)に対し、ほとんど危なげなく判定勝ち(99-91、99-91、100-90)を収める見事な戦いぶりを見せた。
今年
2月に元WBO世界バンタム級王者ジェイソン・モロニーを判定で下した26歳の那須川は、今回も左手が全くブレることなく10ラウンドを圧倒。左目上の流血した裂傷は、彼が必要としていたもうひとつの激闘の証だった。
「今夜学んだのは、すべてがいつも自分の思い通りにはいかないということだ」と那須川は通訳を介して語った。彼は着実に抵抗力を高めている。
現在、WBCで1位、WBAとWBOで2位にランクされている那須川は、今年初めにリングで対戦した武居由樹(11勝無敗9KO)との再戦の可能性が依然としてある。ただし次戦ではなく、武居は先月ともにストップ勝ちを収めた指名挑戦者クリスチャン・メディナ(25勝4敗18KO)と対戦する予定だ。
アンダーカードでは、東京のバンタム級ホープ三須田陸(8勝1敗8KO)が、2023年8月に堤聖也に無敗記録を止められて以来、5連続KO勝利を飾り、ミチェル・バンケス(23勝6敗15KO)を下した。
また、東京出身のティーンエイジャー、ミニマム級の大久保瑠葵亜(2勝1敗1分2KO)も勝利を収めた。