ロンドン(イングランド)発――
アンソニー・ジョシュアの年内サプライズ復帰の可能性は五分五分であると、プロモーターのエディ・ハーンが語った。二度の世界ヘビー級王者であるジョシュアは、わずか二週間前の通知でも試合に臨む準備ができているという。
ジョシュアは昨年9月、ウェンブリー・スタジアムでダニエル・デュボアに衝撃的なKO負けを喫して以来、リングから遠ざかっており、1年以上のブランクを経て、
『The Ring』誌のヘビー級ランキングからも外れてしまった。
彼のチームは今年、
ジェイク・ポールとの試合について交渉を重ねていたが、YouTuberからボクサーに転向したポールが代わりにジャーボンテイ・デイビス戦に合意したことで、ジョシュアは2025年残りの期間を試合なしで過ごすと思われていた。
しかし最近になって、ハーンはジョシュアが2026年第1四半期のビッグマッチに向けた準備の一環として、どこかのアンダーカードで試合を行う可能性を示唆した。さらにプロモーターは、36歳のジョシュアが
12月13日にカリフォルニア州ストックトンで開催されるマッチルーム興行、あるいは
12月27日に那須川天心と井上尚弥が登場する『ザ・リング』誌主催の「ナイト・オブ・サムライ」興行(リヤド開催)に出場する可能性もあると明かした。
ハーンは
『ザ・リング・マガジン』に次のように語った。「彼が今年中にもう一度試合をする確率は、たぶん五分五分だと思う。
時々こういう話をすると世間が騒ぎ出すが、ボクシングの観点から見れば理にかなっている。商業的な理由ではなく、純粋に競技的な意味でね。
ジョシュアの試合はいつも大きなスタジアムで行われ、彼は『さあ、またやるぞ』という気持ちで挑む。でももしアンダーカードで戦えば、流れを取り戻すいい機会になるし、彼のキャリアにとって非常に有益だと思う。
今、我々が目指しているのは彼のキャリアでおそらく最後の大勝負に向けての準備であり、彼は万全の態勢で臨まなければならない。あとはロジスティクスをどう調整するかだけだ。」
「彼自身、『メキシコの興行で試合してもいいか?』と聞いてきたんだ。でも私は『ティフアナを歩いている君を隠すのは無理だよ』と答えた。12月13日にカリフォルニアでの興行があるし、11月の大会もあるかもしれない。ガーナで試合させるのは、今やろうとしていることとは合わないと思う。でも12月27日のリヤドの大会もある。」
「数週間前から発表するようなことでもない。むしろ、それでは意味がなくなる。彼はすでにジムで練習しているし、準備万端だから、『2週間後に8回戦で出場だ』と言ってもすぐに対応できるだろう。」
ジョシュア(28勝4敗、25KO)は依然としてイギリス・ボクシング界最大のスターであり、過去10年間、一度も12回戦未満の試合を行っていない。また、2023年12月にオット・ワリンをTKOした試合を除けば、すべての試合がメインイベントとして組まれてきた。
しかしハーンは、派手なスポットライトから一歩離れて再び勝利を重ねることで、ジョシュアが2026年に向けて再起する足がかりを築けると確信している。
タイソン・フューリーが引退状態を終えて、ついにジョシュアとの対戦に踏み切る可能性も残されており、また
ナイジェリア系の血を持つジョシュアが来年2月にガーナで試合を行う計画も浮上している。
だがその前に、ハーンは“錆落とし”のための実戦が必要だと考えており、対戦相手のレベルもその目的に合わせたものになるという。
ハーンは語った。「みんなに『どんな相手を考えてるんだ?』と聞かれるが、ボクレック(BoxRec)を見てみればいい。
ヘビー級トップ100の中から、トップ20を外したところにジョシュアの相手がいるはずだ。」