井上尚弥の名前が出るたびに、ティム・ブラッドリーは一瞬間を置き、そして満面の笑みを見せる。
その大きな笑顔は、スーパーバンタム級4団体統一王者がいかに優れていると彼が考えているかを物語っている。直近の試合でも、井上はなぜ世界最高のファイターの一人と見なされているのかを証明するチャンスを得た。
122ポンドでは井上は無敵であり、ブラッドリーもその状況が変わるとは見ていない。しかし、階級を上げれば上げるほど、その可能性が揺らぐと見ている。
「井上が階級を上げていけば、彼と同じくらい運動能力に優れた選手と出会うことになるだろう」
とブラッドリーは自身のYouTubeチャンネルに投稿した自撮り動画で語った。
「その時、サイズ(体格)の差が大きな要素になってくるんだ。」
アフマダリエフ(14勝2敗、11KO)は、9月14日の対戦時にサイズもパワーも不足していた。元統一王者としてあらゆる手を尽くしたが、打開策は見つからなかった。
ブラッドリーは辛口の批評家だ。2023年に殿堂入りを果たした彼は、欠点を容易に見抜き、それを指摘する。しかし井上に関しては「完璧なファイター」とまでは言わないものの、それに極めて近い存在だと評価している。
「井上は素晴らしいファイターだ」
とブラッドリーは語った。
「彼はどんどん成長を続けている。常に自分のスタイルを修正しながら戦っているんだ。」