終わりなき階段のように思われていたが、
井上尚弥はついに“最上階”にたどり着こうとしているのかもしれない。
長年にわたり、パウンド・フォー・パウンドでトップに君臨する日本のスターは、各階級に挑み、タイトルを次々と獲得しながら、名のある選手や体格で勝る相手を次々と粉砕してきた。
現在、井上(30勝無敗、27KO)は122ポンド(スーパーバンタム級)の4団体統一王者であり、フェザー級への転向を決断するまでに、いくつかの試合を残している。126ポンド(フェザー級)では、
ニック・ボールやラファエル・エスピノサとの対戦が最有力候補として挙げられている。
多くのファンの間では、32歳の井上がフェザー級に上がれば、その先には
ジャーボンタ・デービスや
シャクール・スティーブンソンといったビッグネームとの対戦が待っていると期待されている。しかし、130ポンドへの挑戦やそういった夢のカードを思い描いているファンにとっては、残念な現実がある。
「はい。フェザー級が自分の限界です」と、井上は最近の
『ザ・リング・マガジン』のインタビューで語った。「それ以上の階級に上がることには興味がありません。自分の身長が170cmあれば別ですが、骨格的に作れる体には限界があります。スーパーバンタム級でも、一つ一つ筋肉をつけて体を作りながら挑戦しています」
井上は常に先を見据えるタイプである。122ポンドへの転向後は、決して順風満帆だったわけではなく、直近4試合のうち2試合でダウンを喫している。それでも
ルイス・ネリやラモン・カルデナスを圧倒的に倒してきた井上は、その先に待つフェザー級の壁も十分に理解している。
それでも、井上は限界に挑戦し続ける“戦士”である。もし126ポンドで快適に戦え、自信を持てると感じれば、その先の考えも変わる可能性はある。
「フェザー級すらまだ経験していないので、それ以上のことは考えられません」