ロバート・ガルシアは、
ザンダー・サイヤス陣営の判断を理解すると語った。
もし自分が無敗のWBOスーパーウェルター級王者サイヤスを預かっていたとしても、
ヴァージル・オルティスとは戦わせないだろう、とも明かす。オルティスのトレーナーはサイヤスのタイトル挑戦を望んでいるが、まだ発展途上にある若い王者にとって、このタイミングでの対戦はリスクが大きすぎるとガルシアは考えている。
「ザンダー・サイヤスは22歳で王者になったばかりの若く才能あるファイターだ」とガルシアは『
ザ・リング』に語った。
「もし自分が彼のキャリアを管理する立場なら、トレーナーとしてもマネージャーとしても同じことをする。トップランクとは非常に良い関係にあるし、トップランクは選手を育成し、守り、特に若くてまだ成長途上の世界王者を大事にする点で最高のプロモーションだ。」
元IBF・Sフェザー級王者でもあるロバート・ガルシアは、ヴァージル・オルティスを“世界で最も優れた154ポンドのボクサー”だと評価している。ただしオルティスが保持しているのはWBC暫定王座のみであり、ガルシアはそれが当面変わるとは考えていない。サイヤスや、
WBC王者セバスチャン・フンドラとキース・サーマンの勝者、IBF王者
バクラム・ムルタザリエフ、WBA王者テレンス・クロフォードとの対戦がすぐに実現するとは見ていないからだ。
サイヤス(22勝無敗、13KO/フロリダ州サンライズ出身)は7月26日、ニューヨークで行われたメキシコのホルヘ・ガルシア・ペレス(33勝5敗、26KO)
戦に判定で完勝し、空位だったWBO世界Sウェルター級王座を手にした。オルティス(23勝無敗、21KO/テキサス州グランドプレーリー)は、11月8日にテキサス州フォートワースのディッキーズ・アリーナで、エリクソン・ルビン(27勝2敗、19KO)を相手に
WBC暫定王座の防衛戦を行う予定だ。
オルティスが有利と見られるルビン戦に勝った場合、ガルシアはサイヤス戦よりも、ライバルであるジャロン “ブーツ” エニスとの対戦が2026年に実現する可能性の方が高いと見ている。
「ザンダー・サイヤスは世界王者になったが、まだ発展途上の段階だ。22歳ではベストな状態にはない。改善すべき点も、学ぶべきこともまだ多い。だから自分も同じ判断をするだろう。トップランクを責めるつもりはないし、彼のトレーナーやマネージャーを責める気もない。マネージャーのピーター・カーンは自分の友人だ」とガルシアは語った。
『ザ・リング』誌のSウェルター級ランキングでは、オルティスが1位、フンドラが2位、ムルタザリエフが4位、ルビンが5位、サイヤスが6位に位置している。なお、リング誌Sウェルター級王座は空位となっている。
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X(旧Twitter)@idecboxingで連絡可能。