オルティスのプロモーターであるオスカー・デ・ラ・ホーヤは、テキサス州フォートワースのディッキーズ・アリーナで行われた試合後、無敗のノックアウトアーティストであるオルティスを誇らしげに称えた。「ザ・ゴールデン・ボーイ」は、まるでオルティス(24勝0敗、22KO)と
ジャロン「ブーツ」エニス(35勝0敗、31KO、1無効試合)が次戦でついに激突するのが既定路線であるかのように語った。
DAZNの幹部たちは、エニスとオルティスが2月28日にラスベガスで開催予定のペイ・パー・ビュー興行のメインイベントで対戦することを望んでいる。28歳のエニスと27歳の
オルティスは、リング上で向かい合いながら舌戦を繰り広げ、非公式ながらプロモーションの火蓋を切った。
しかし、デ・ラ・ホーヤはやがて「もし」という言葉を滑り込ませ、
エニス対オルティス戦は、契約条件がオルティスに有利である場合にのみ実現すると強調した。6階級制覇を成し遂げた元王者は、オルティスが「男(ザ・マン)」であり「チャンピオン」であるという立場が、エディ・ハーン(エニスをプロモートするマッチルーム・ボクシング代表)との交渉で取るべき姿勢を正当化すると主張した。
「ブーツ・エニス戦について言えば、そうだ、話し合うつもりだ。もちろんだ」 とデ・ラ・ホーヤは試合後の記者会見で語った。 「そして、我々に有利な条件であれば、最良の契約を勝ち取るつもりだ。なぜなら、オルティスが“男”だからだ。彼を追いかけているのは向こうだ。ヴァージル・オルティスはチャンピオンであり、誰もが倒したい相手である。そして、彼は背中に標的を背負っている。だから、私の仕事は彼に最良の条件をもたらすことだ。
だからこそ、この試合は“ボクシングの聖地”ラスベガスで実現するだろう。もし我々が合意に至れば、近年最大の一戦となるだろう。だから楽しみにしているかって?もちろんだ。ヴァージルも?彼はただ最高の相手と戦いたいだけなんだ。」
オルティスはWBC暫定スーパーウェルター級王座を保持し、エニスはWBA暫定154ポンド王座を持つ。どちらも正式な世界王者とは見なされていない。
しかし、『The Ring』誌のランキングでは、オルティスがトップ10の1位に位置し、
エニスは7位。エニスは10月11日に地元フィラデルフィアで無名の
ウィスマ・リマ(14勝2敗、10KO)を初回KOで下した直後に7位入りを果たした。一方のオルティスは、ランキング5位のルビン(27勝3敗、19KO)というより手強く実績ある相手を倒している。
もちろんハーン側は、エニスが以前、ウェルター級で『The Ring』誌、IBF、WBAの3本の王座を保持していた事実を持ち出すことができる。彼は春先に、147ポンドの制限体重を安全に維持できなくなったとして階級を上げる決断をしていた。
デ・ラ・ホーヤは緊張をはらんだ交渉を予感させる発言をする前に、半ば冗談交じりに、ルビンをあっという間に倒したオルティスを見たあとでもエニスが本当に対戦を望むのか疑問だと語った。
「正直、今は少し懐疑的なんだ」 とデ・ラ・ホーヤは言った。 「実はエディとブーツにこう言ったんだ。『ヴァージルの試合を生で見るなよ。見たら怖くなるぞ』ってね。だから様子を見よう。私はエディ・ハーンと話し合うつもりだし、明らかに我々の方が優位にある。なぜならオルティスの方が強い男だからだ。そして合意に至れるかどうか見極めるが、きっとできると思う。ただ、彼らにはこう言っておいた。『生で見るな。こいつはモンスターだ。恐ろしくなって、また調整試合をしたくなるかもしれないぞ』とね。
でも、そうならないことを願っている。願わくばエディ・ハーン、つまりブーツのプロモーターがこちらに連絡をしてきて、ヴァージルに有利な条件で交渉をまとめ、彼が望む試合を実現させることができるようにしたい。そして我々はスーパー・ファイトを実現させる。それがすべてだ。私はビッグファイトをプロモートするのが好きなんだ。偉大な選手をプロモートするのが好きなんだ。そして、これは世界中が見たいと思う試合になるだろう。」
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X(旧Twitter)@idecboxingで連絡可能。