ヴァージル・オルティスが土曜の夜、
エリクソン・ルビンをノックアウトして、ボクシング界のほとんどが待ち望むスーパーウェルター級決戦の舞台を整えるのに必要だったのは、たった一発のクリーンショットだけだった。
オルティス(24勝0敗、22KO)は右ストレートを打ち抜き、ルビンを立ったまま意識を失わせる。レフェリーのジェームズ・グリーンが2ラウンド1分30秒で割って入り、予定されていた12回戦をストップした。グリーンはロープ際に追い込まれたルビンを抱きとめ、オルティスの連打で崩れ落ちるのを防いだ。
「多くの人が、“オルティスは打ち負かされる”“ノックアウトされる”なんて言ってたけど、見ての通りだよ。ルビンは素晴らしいファイターだけど、レベルってものがあるんだ」と、オルティスは試合後、DAZNのクリス・マニックスに語る。「そういう声がすごくモチベーションになった。俺たちは最高の相手と戦う準備ができてる。最高の相手と戦いたい。ブーツ、ここに来いよ!」
フィラデルフィア出身のエニス(35勝0敗、31KO、1無効試合)とオルティスはリング上で顔を合わせ、次戦での対戦に即座に合意した。契約書へのサインはまだだが、DAZNは2月28日をラスベガスでのPPVメインイベント開催の優先日として確保している。
27歳のオルティスが、キャリアを決定づけるジャロン・エニス戦に向けて、これ以上ないほどの勢いを築く。
『ザ・リング』誌のスーパーウェルター級1位コンテンダーであるオルティスは、ウェルター級から階級を上げて以降、戦績を5戦5勝に伸ばす。直近の2試合では、強豪
セルヒー・ボハチュクと
イスラエル・マドリモフを連破している。
一方、フロリダ州オーランド出身のルビン(27勝3敗、19KO)は、『ザ・リング』のスーパーウェルター級ランキングで5位にランクされている。マドリモフは4位、そしてボハチュクは9月13日にラスベガスで行われた
ブランドン・アダムスとの10回戦リマッチで判定負けするまではランキング入りしていた。
30歳のルビンは、プロデビューから12年でこれが3度目のKOまたはTKO負けとなる。
2022年4月には、
セバスチャン・フンドラとの激しい打ち合いの末、9ラウンドでストップされた。ルビンはいったん2ラウンドでダウンを奪われながらも、7ラウンドにフンドラを倒し返したが、顔面の腫れがひどく、当時のトレーナーであるケビン・カニンガムが10ラウンド開始前に試合を止めた。
さらに2017年10月、当時WBC世界スーパーウェルター級王者だった
ジャーメル・チャーロとのタイトルマッチでは、初回に右ストレート一発でノックアウトされている。
Keith Idecは『ザ・リング』の上級ライター兼コラムニストである。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡を取ることができる。