ヴァージル・オルティス・ジュニアと
ジャロン “ブーツ” エニスは、土曜夜、ボクシング界で最も注目される対戦のひとつを宣伝するため、一切の時間を無駄にしない。
オルティスはテキサス州フォートワースのディッキーズ・アリーナで
エリクソン・ルビンを2ラウンドKOで沈めた直後、DAZNのクリス・マニックスによるリング上インタビューでエニスを呼び入れる。2人は陽気に舌戦を交わし、次こそついに対戦するとボクシング界に約束する。
エニスは半ば冗談めかして、自身のプロモーターであるエディ・ハーンに「契約書を持ってこい」と呼びかけながら、オルティスと顔を突き合わせた。
「これはボクシング界で最高の試合だと思う」 とエニスは言う。
「彼は素晴らしいパフォーマンスを見せた。よかったと思うよ。でも俺は世界中に見せる。自分が世界一だってことを。そしてあいつのチームにも分からせる。あいつらはずっとイカれたことを言ってる。イカれたことを言ってるが、俺が証明してやる。俺が世界最強だってことをな。」
DAZNの幹部陣は、エニス対オルティス戦を2月28日にラスベガスで開催することを望む。だが、どちらの選手もまだ契約書にサインしておらず、エディ・ハーンとオルティスのプロモーターであるオスカー・デ・ラ・ホーヤには、これを実現させるために今後数週間で多くの調整が必要になる。
テキサス州グランドプレーリー出身のオルティス(24勝無敗、22KO)は、『ザ・リング』誌の空位となっているジュニアミドル級王座ランキングで最上位の挑戦者に位置づけられている。エニスは10月11日、地元フィラデルフィアで
アンゴラ出身の伏兵ウイスマ・リマ(14勝2敗、10KO)を初回TKOで粉砕し、同ランキングで7位にランクインした。
エニス(35勝無敗、31KO、1無効試合)は
、4月12日にニュージャージー州アトランティックシティでエイマンタス・スタニオニスを6ラウンドで一方的に下し、『ザ・リング』誌、IBF、WBAのウェルター級王座を保持していた。しかし6月、147ポンドのリミットを作るのがあまりに困難になったとして、同階級からの撤退を表明した。
ランキングは別にして、エニス対オルティスはファンが最も見たがっている試合の一つだ。
「これがやらなきゃいけない試合だと思うよ」とオルティスはエニスに言う。「これだと思う。」
微笑むエニスは、オルティスのチームのメンバーが言ったことに対してリングで責任を取らせると約束する。
「お前のマネージャー(リック・ミリジアン)がめちゃくちゃなこと言ってるし、オスカーもめちゃくちゃ言ってる」とエニスは言う。「俺が彼らの言ったこと全部に対してお前に代償を払わせる。保証するし、何でも賭けられる。保証する。」
オルティスは、ジャロンの父でトレーナーのデレク“ボジー”エニスがインタビューでオルティスを『逃げている(ダッキング)』と述べてから、自分の側がエニスについて話し始めただけだと主張する。
「俺たちはお前らが先に言い出したから話し始めたんだ」とオルティスは言う。「これは報復だよ、報復だ。」
ファンやメディア、そしてオルティスは、エニスがジュニアミドル級初戦で調整試合を選んだことを批判した。ドラフトキングスのオッズでは、エニスはリマに対して30対1の大本命とされ、実際に彼を2度倒し、初回1分58秒で試合を終わらせた。
「そんなの関係ない」とエニスは言う。「今がその時だ。金を動かす時だし、この試合を実現させようぜ。」
エニスは、オルティスがルビン(27勝3敗、19KO)をあっという間に片づけたことを称賛しつつも、攻撃的なノックアウト・アーティストである彼に、次はまったく違う展開になると約束する。
「お前はすごいファイターだ。素晴らしいパフォーマンスだった」とエニスは言う。「でも俺は世界中に見せる。俺が世界一だってことを。お前のために用意してるもんがある。」
Keith Idecは『ザ・リング』の上級ライター兼コラムニストであり、Xでは @idecboxing で連絡できる。