5階級制覇を成し遂げ、2021年に国際ボクシング名誉の殿堂入りを果たし、興行面でも絶大な成功を収めた
フロイド・メイウェザー・ジュニアほど、キャリアの築き方において優れた手本を残したボクサーはいないだろう。
急速に頭角を現しているヘビー級コンテンダーの
モーゼス・イタウマは、土曜日にサウジアラビア・リヤドで行われる
デリアン・ホワイト戦
(DAZN PPV)を前に、自分もメイウェザー(50勝無敗, 27KO)と同じ道を歩んだと言えるようになりたいと考えている。
「彼はこの競技で大金を稼ぎ、頭もしっかり保ったまま、ダメージもなく引退した。そして誰も『俺はあいつをボコボコにした』なんて言えない。それが俺の目指すキャリアだ。人は自分に自信がないと、相手にちょっとした疑念やプレッシャーをかけて、相手が折れるのを期待する。そうすることで自分が気分良くなれるんだ」と
イタウマは「ザ・リング・マガジン」のルイス・ハートに語った。
「フロイド・メイウェザーは本当に優れたファイターだった。50戦無敗という戦績に、多くの人は引け目を感じている。その現実を受け入れたくないから、メイウェザーに疑念やプレッシャーをかけて、崩れさせようとする。そうやって自分の気持ちを満たそうとするんだ。俺はそんなふうには見ていない。『すごい、彼は本当に多くのことを成し遂げたんだ』と感じるだけだ」
イタウマ(12勝無敗, 10KO)は、卓越したスピード、技巧、そしてパワーを武器に、近年でも屈指のヘビー級有望株として急速に存在感を示してきた。ホワイトに勝利すれば、その成長過程において大きな一歩となるだろう。20歳の彼は現在、8試合連続ストップ勝ちを記録しており、いずれも2ラウンド以内で決着をつけている。
しかしホワイト(31勝3敗, 21KO)は、
イタウマにとってこれまでで最も大きな試練となる相手だ。ホワイトはヘビー級タイトル戦の経験があり、2022年4月にタイソン・フューリーに6ラウンドTKOで敗れるまで、世界トップクラスのヘビー級選手たちとリングを共有してきた。その敗戦以降は3連勝を飾っているものの、対戦相手のレベルは高いとは言えない。
ホワイトは昨年12月15日、エベネザー・テテーを7ラウンド終了後にストップしている。
身長194センチのサウスポーであるイタウマは、WBO1位、WBA2位、IBF6位、WBC11位にランクされており、
土曜日に印象的な勝利を挙げれば世界タイトル挑戦の位置につける可能性がある。その挑戦は、もし近い将来実現すれば、ヘビー級4団体統一王者オレクサンドル・ウシク(24勝無敗, 15KO)を相手に行われる可能性もある。
「そんなことは考えてない。『そうなったらいいな』とも思ってない。今は目の前にデリアン・ホワイトという本気のコンテンダーがいるからな。でも、その後なら…あるかもしれない」とイタウマは語った。