そのため、37歳の彼の動きをリング上で完全に再現できるスパーリングパートナーを見つけるのは難しい。
だがカネロ・アルバレスは、その“最も近い存在”を見つけ出した。
ジャロン・エニスが、クロフォード(41勝無敗31KO)とのメガファイトを控えるアルバレスの主要スパーリングパートナーのひとりとして名乗りを上げたのだ。
クロフォード同様、エニスもサウスポーとオーソドックスを自在にスイッチするスタイルを好む。この数週間、アルバレス(63勝2敗2分39KO)は28歳のエニスが懸命にクロフォードを模倣する姿を見続けてきた。世界同時配信されるNetflix興行をわずか数時間後に控えたいま、メキシコのスーパースターは金では買えない自信を手にしている。
しかし、スパーリングで恩恵を受けたのはアルバレスだけではなかった。
元ウェルター級統一王者のエニス(34勝0敗30KO 1無効試合)は、
10月11日にフィラデルフィアのウェルズ・ファーゴ・センターで行われるジュニアミドル級デビュー戦、ウィスマ・リマ戦を控えている。試合まではまだ1カ月あるが、このスイッチヒッターはすでに新しい階級で戦う準備が整ったと感じている。
その自信の大半は、アルバレスとのスパーリングに由来する。自身のキャリアをはるかに上回るエリート経験を持つ名王者とリングを分け合ったのは、エニスにとって初めてのことだった。
総じて、エニスはアルバレスとの対戦から多くを学んだ。アルバレスが素晴らしいファイターであることは元々理解していたが、メキシコ人王者は精神面だけでなく肉体的なスキルも伴っていると改めて実感した。
「カネロだね」――最も高いリングIQを持つ相手は誰かと聞かれ、エニスは 『YSM Sports Media』 に答えた。
「カネロはとても忍耐強くて、どのタイミングでどんなパンチを出すべきかを分かっているんだ」