エリクソン・ルビンの中の“ボクシングファン”は、ヴァージル・オルティスとジャロン“ブーツ”エニスがついに拳を交えるのを見たいと願っている。
しかし、ビジネスマンであり競争者としてのジ
ュニアミドル級コンテンダーの彼は、11月8日の目的のひとつが「オルティス対エニス戦を次戦にさせないこと」であると理解している。トゥルキ・アル・シェイク、DAZN CEOシェイ・セゲフ、そしてプロモーターのエディ・ハーン(エニス)、オスカー・デ・ラ・ホーヤ(オルティス)は、両者が次戦に勝利すればエニス対オルティスを実現させたいと考えている。
エニス(34勝0敗、30KO、1NC)は、10月11日に地元フィラデルフィアのXfinityモバイル・アリーナでアンゴラのウィスマ・リマ(14勝1敗、10KO)と対戦し、ジュニアミドル級デビューを飾る。
オルティス(23勝0敗、21KO)は、その4週間後に地元グランドプレーリー近郊のテキサス州フォートワース、ディッキーズ・アリーナでルビン(27勝2敗、19KO)を迎え撃ち、WBC世界スーパーウェルター級暫定王座を防衛する。
ドラフトキングスは、
DAZNが配信するメインイベントを前に、エニスを25対1の大本命、オルティスを6対1の本命として予想している。だがルビンは、自身が2026年に154ポンド級で望むビッグマッチを思い描いており、その実現性を高めるにはオルティスを倒すことが不可欠だ。
「自分とフンドラの再戦を作りたいんだ」とルビンは『
ザ・リング』に語った。
「それが頭にある。エニス対オルティス戦があって、あれは素晴らしい試合だと思うし、ファンとしても見たい。でも今は俺がその間に立ってる。計画をぶち壊さないといけない。フンドラとの試合を実現させたいし、その邪魔は誰にもさせない。」
27歳のフンドラと29歳のルビンは、2022年4月にラスベガスのバージン・ホテルズで「年間最優秀試合」候補となる激闘を演じた。
あの記憶に残る乱打戦では、両者ともにダウンを奪い合い、めまぐるしく流れが変わるスリリングな展開となった。試合は9ラウンド終了後、ルビンの顔がひどく腫れ上がっていたため、当時のトレーナーであるケビン・カニンガムがストップし、フンドラがTKO勝利を収めた。
9ラウンドを終えた時点では、2人のジャッジが85-84でルビンをリードとしており、もう1人のジャッジは85-85のイーブンだった。
その後ルビンはフンドラ戦から3連勝を記録。フロリダ州オーランド出身のサウスポーは直近2試合で無敗の相手、ヘスス・ラモス(23勝1敗、19KO)とアードリアル・ホームズ・ジュニア(17勝1敗、6KO)を連破している。
5月10日に行われたホームズ戦での11回TKO勝利により、ルビンはIBF王者バクラム・ムルタザリエフ(23勝0敗、17KO)の指名挑戦者となった。
だがルビンは、より高額なファイトマネー、注目度の高いチャンス、そしてフンドラとの再戦に繋がる可能性を得るために、オルティス戦を選んだ。カリフォルニア州コーチェラ出身のフンドラ(23勝1敗1分、15KO)は、来月元WBA/WBC世界ウェルター級王者キース・サーマン(31勝1敗、23KO、1NC)と対戦する予定だ。両者は10月25日、ラスベガスMGMグランド・ガーデン・アリーナで開催されるプレミア・ボクシング・チャンピオンズ(PBC)のPPV大会で、
フンドラのWBC世界スーパーウェルター級王座を懸けて12回戦を戦う。「いい試合になると思う」とルビンは語った。
「でもフンドラの若さ、サイズ、手数を考えれば、
キース・サーマンに勝てると思う。フンドラは体格が大きすぎるし、サーマンはここ数年トップレベルの相手と戦っていない。そんな状況でチャンピオンの1人であるフンドラとやるんだからな。相手は身長6フィート6インチ(約198cm)もある男だ。
だから状況は少し違う。サーマンはあのリングで居心地悪く感じるはずだ。彼にどれだけの力が残っているのか見てみたい。世間は好き勝手に物語を作りたがるけど、もしかしたら彼はジムで今も獣のように練習して、人をKOしているかもしれない。真相は分からないが、理由があって戻ってきたんだろう。金のためか、ボクシングへの愛かは知らない。でも、俺たちはきっと楽しめる試合を見ることになると思うよ。」
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X(旧Twitter)@idecboxingで連絡可能。