キース・サーマンは水曜日、記者会見の最後に
セバスチャン・フンドラと向かい合って写真撮影をする際、椅子の上に立った。
この小道具によって、身長6フィート6インチ(約198cm)のフンドラと、5フィート8インチ(約173cm)の元統一ウェルター級王者との間にある滑稽なほどの身長差が強調された。だがサーマンはすぐに真剣な口調に切り替え、
10月25日にラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われるフンドラのWBCスーパーウェルター級王座戦に臨む機会を与えてくれたことに感謝を述べた。36歳のサーマンは特に、他のジュニアミドル級勢から相手にされず“干されている”と感じていたため、フンドラが自分と戦う意思を示してくれたことを高く評価している。また彼は、2024年3月に自分の上腕二頭筋の負傷によって、フンドラが急遽
ティム・チュー戦に抜擢されたことが、このチャンスにつながったのだと考えている。
27歳のフンドラはそのラスベガスでの流血戦で、チュー(25勝3敗18KO)にスプリットデシジョンで勝利。その夜、WBC暫定154ポンド王座を獲得し、のちに正規王者へと昇格した。
「彼は俺の仕事をやったんだよな?」とサーマンはロサンゼルスでの記者会見で、フンドラがチューに勝ったことについて語った。「ちょっと面白い裏話をしてやろう。彼がこのポジションにいるのは俺のおかげなんだ。いい奴だってのは聞いてたけど、キース・サーマンと戦うのが正しいからそうしてるんだ。ただ正しいだけじゃない、素晴らしい試合になるだけじゃない。彼には選択肢があるんだ。
正直に言おう。なぜ俺がオーストラリアまで行かなきゃならなかったか知りたいか?みんなが他のやつらとばかり戦っていて、キース“ワンタイム”サーマンを棚上げにしてたからだ。ただそれだけさ。あっちこっちで小遣い稼ぎして、ゲームをしていただけだ。」
サーマン(31勝1敗23KO1無効試合)は前戦でオーストラリアの
ブロック・ジャービス(23勝2敗21KO)をストップしている。3月12日にシドニーで行われたこの3回TKO勝利は、本来ならティム・チュー戦の再調整につながるはずだった。
このチューの敗北で、サーマンにとっての有利な選択肢は消えたが、彼は喜んでアル・ヘイモンからのオファーを受け、PBCのPPVメインイベントでフンドラとの対戦を受け入れた。
サーマンは、実績豊富な自分との対戦を受け入れたフンドラの姿勢を称賛した。フンドラは2023年4月、カリフォルニア州カーソンでのブライアン・メンドーサ戦で7回KO負けを喫して以来、3連勝中である。
「アマチュア時代からずっと、“楽なサーマン戦”なんて存在しなかった」とサーマンは語った。「『ああ、サーマンには勝てる。ただ突っ切ればいい』なんてことは絶対にない。本気で望まなきゃならないし、それを自分のレガシーに刻みたいと思わなきゃならない。フンドラは今、名前を積み上げている時期だが、こんなビッグネームとはまだ戦ったことがない。
彼はオファーを見て、耳にして、それは甘美に響いたはずだ。だが俺が苦くしてやる。甘い話に聞こえてもな。そして言わせてもらうよ。ありがとうな、フンドラ。この試合を受けてくれて感謝する。敬意を表するぜ。」
Keith Idecは『ザ・リング』誌の上級ライター兼コラムニストです。Xでは @idecboxing で連絡できます。