ラスベガス発――
クリスチャン・ムビリと
レスター・マルティネスは、カネロ・アルバレス対テレンス・クロフォード戦のアンダーカードで、トゥルキ・アル・シェイクが求めていたまさにそのエンターテインメントを提供する。
しかし、土曜夜のアレジアント・スタジアムでは、ムビリもマルティネスも勝利を持ち帰り、
アルバレス-クロフォード勝者への挑戦を要求するだけの結果を残すことはできなかった。
激しい打ち合いの末に導かれた結末は、即座の再戦を望ませるにふさわしいスプリットドロー。パトリシア・モース・ジャーマンは97-93でマルティネスを支持したが、クリス・ミリオーレは96-94でムビリを支持。グレン・フェルドマンは10回を95-95と採点した。
CompuBoxの非公式パンチスタッツはマルティネスに有利に出る。彼は980発中412発をヒットさせたと記録され、ムビリ(787発中273発)より139発多く打ち込んだ。
無敗同士のムビリ(29勝0敗1分、24KO)とマルティネス(19勝0敗1分、16KO)は、30分間のハイペースで苛烈な打ち合いの中で数え切れないほどのパワーパンチを受けながらも、驚異的な耐久力を見せつけた。
また、カメルーン出身のムビリはアルバレス-クロフォード戦勝者へのWBC指名挑戦者の座も守り抜いた。
ザ・リングの
スーパーミドル級コンテンダーで1位にランクされるムビリとマルティネスは、最後のゴングが鳴るまで激しい打ち合いを続け、レイダース本拠地の大観衆から大きな喝采を浴びた。最終第10ラウンドも、それまでの9ラウンドと同様に互いに数多くのパンチを叩き込み合い、ほとんど下がることなく戦い抜いた。
第9ラウンド残り1分45秒あたり、マルティネスの左アッパーがムビリを捉える。切れのあるマルティネスは右から左へのアッパーのコンビネーションも決めたが、ムビリをダメージさせることはできなかった。
気迫のムビリはそれでも前に出続け、マルティネスに深い呼吸を強いながら必死に応戦させる。
第8ラウンド最後の1分間、両者はインサイドで強烈なパワーパンチを打ち合い、観客を沸かせる迫力の応酬を見せた。
第7ラウンド前半にはマルティネスの左アッパーが2度ヒット。中盤直後にはムビリが右を当て、3分間を通して優勢に見えた。
第6ラウンドではマルティネスが右アッパーでガードを割り、残り1分弱にはストレートの右でムビリの注意を引いた。
第5ラウンド、ムビリは何度も正確な右を打ち込んだが、マルティネスはパワーに耐える。ラウンド終了数秒前にはムビリの左フックで体勢を立て直させられる場面も。
第4ラウンド残り35秒、マルティネスの右でムビリの攻勢が一瞬止まる。
アクション満載の第3ラウンドでは、マルティネスがスペースを作ろうとムビリを押し戻すも効果はなかった。
第2ラウンド残り1分を切ったところでマルティネスの左アッパーがヒット。さらにラウンド終了間際にも左アッパーを決めた。
試合開始直後からムビリは前に出てパワーパンチを次々と放つ。マルティネスもカウンターで応戦するが、ムビリは構わず攻め続けた。
Keith Idec は『ザ・リング』のシニアライター兼コラムニスト。Xでは @idecboxing で情報を発信している。