ラスベガス発――
レスター・マルティネスは、これまでのキャリアで
クリスチャン・ンビリほど危険な相手と公式戦で拳を交えたことはない。
しかし過去3年間にわたり
テレンス・クロフォードとスパーリングを重ねてきたことで、このハングリーなグアテマラ人は自信を深め、キャリアを左右する土曜夜の大一番に臨む準備を整えている。
無敗のマルティネス(19勝0敗、16KO)は、
カネロ・アルバレス対クロフォードのアンダーカードとしてアレジアント・スタジアムで行われる試合で、モントリオール出身のンビリ(29勝0敗、24KO)のWBC暫定スーパーミドル級王座に挑む。
マルティネスがクロフォードとのトレーニングで学んだ最も重要な教訓のひとつは、リングの中ではもっと“厳しく”なる必要があるということだった。クロフォードと同じチームで鍛えながらそのスキルを磨いてきたマルティネスは、全力必至の10回戦になるであろうクリスチャン・ンビリ戦で、その経験が活きると確信している。試合はネットフリックスで世界3億人以上の視聴者に配信される予定だ。
「このチームの一員で、彼と一緒に練習して、同じことをやっているのは素晴らしい経験だ」とマルティネスは『ザ・リング』に語った。「夢を生きている感じだ。たくさんのことを学んだ。良いことも、そしてリングで“厳しくなる”ことも学んだ。リングに上がったら相手を徹底的に痛めつけること。リングの中では悪い人間にならないといけない。外ではいい人間でいい。でも中では“悪役”でいるべきなんだ。」
クロフォードの“厳しさ”と殺気立った本能は、彼を4階級制覇の世代最強ボクサーのひとりにした大きな要因。オマハ出身のクロフォードは驚異的なフィニッシャーであり、マルティネスにも相手を傷めたときは同じように畳みかけることを勧めている。
29歳のマルティネスと37歳のクロフォードは、ラスベガス、コロラドスプリングス、そしてオマハで数多くのスパーリングを重ね、今回の試合に備えてきた。
「いいスパーリングをたくさんやってきた。彼がプレッシャーをかける時もあれば、自分がかける時もあった。でもやってきたことにすごく満足しているし、感謝している。その経験がどれほど役立ったかは、次の試合を見れば分かるはずだ」とマルティネス。
マルティネスはまた、クロフォード(41勝無敗、31KO)がカネロ・アルバレス(63勝2敗2分、39KO)を12回戦で破り、リング誌・IBF・WBA・WBC・WBOの168ポンド王座を奪うと予想している。
「彼は勝つよ。KOでも判定でも、どんな形であれ素晴らしい試合になるだろう。彼を信じている。彼の練習も、スパーリングも間近で見てきた。だから彼は勝つし、僕も勝つ。」
友情を育んできたとはいえ、マルティネスは将来的にクロフォードと戦う可能性を否定しなかった。水曜、ラスベガスのフォンテーヌブローでのインタビュー中にその話題を口にすると、すぐ近くにいたクロフォードのトレーナー、ブライアン・マクイントアが笑みを浮かべた。
「自分は168でやっている」とマルティネスは笑顔でマクイントアを指差した。「この試合に勝てば、無敗統一王者への挑戦者になりたい。だから誰とでも戦う。テレンス・クロフォードとも戦える。だって彼は世界最高のファイターのひとりだから。」
『ザ・リング』シニアライター兼コラムニスト、Keith Idec 執筆。X(旧Twitter)@idecboxing でフォロー可能。