ラスベガス発──かつてアラムのプロモーション会社がクロフォードを手掛けていた頃なら、ボブ・アラムは
テレンス・クロフォードが
カネロ・アルバレスと戦うという話題に耳を貸そうとはしなかっただろう。
93歳のアラムは、クロフォードがWBOウェルター級王者だった当時、スーパーミドル級の覇権を争うには小さすぎると見なしていただろう。だが、かつては非現実的と思われたこの試合が目前の現実となった今、アラムは
土曜夜のアレジアント・スタジアムでクロフォードがアルバレスを明確に打ち負かすと予想している。
アラムは、スーパーミドル級リミットの168ポンドで戦うことに慣れているアルバレスよりも、クロフォードの方が「はるかに優れたボクサーだ」と考えている。
トップランク創設者のアラムはまた、
クロフォードが完全な両構えのボクサーである点を強みと捉えており、それがアルバレスを混乱させるだろうと見ている。この12回戦のメインイベントはNetflixによって世界3億人以上の加入者に配信される。
「クロフォードが圧倒的に勝つと思う」とアラムは
「ザ・リング・マガジン」に語った。「カネロは打たれ強く、もともとサイズも大きいから、クロフォードがノックアウトするのは非常に難しいだろう。だが圧倒的に勝つことはできると思うし、カットによってカネロをストップする可能性も十分にある」
クロフォード(41戦全勝、31KO)は9月28日に38歳を迎え、35歳のアルバレスより年上だ。もっとも、アルバレス(63勝2敗2分、39KO)はクロフォードの2倍以上のラウンドを戦い、プロの試合数でも26戦多い。しかしアラムは、近年Ringのパウンド・フォー・パウンド1位にランクされていた頃のような猛々しいファイターとしては、もはやアルバレスを見ていない。
「いい試合にはなるだろうが、実際のところ相手はかつてのカネロではない」とアラムは語った。「君が戦うのは、かつての姿の影にすぎないんだ。「つまり、最後に[ウィリアム]スクールと戦ったあのカネロは、テレンスだけでなく、間違いなく
[デビッド]ベナビデス、そしておそらく
[クリスチャン]エンビリや他のファイターにも敗れるだろうということだ。凡庸に見えたと言うのはむしろ褒めすぎで、もはや以前のカネロではない」
グアダラハラ出身のアルバレスは、極端に消極的なスクールに対して無気力な試合ぶりを見せたとして厳しい批判にさらされた。アルバレスは119-109、116-112、115-113の採点で勝利したものの、放ったパンチはわずか152発(1ラウンド平均12.7発)。スクールとの合計でも445発しか試みられず、これはコンピュボックスの40年の歴史で記録された12ラウンド戦における最少パンチ数だった。
アラムがスクール戦でのアルバレスの低調なパフォーマンスをどう評価しようとも、ドラフトキングスは依然として、Ring、IBF、WBA、WBC、WBOの168ポンド王座を懸けたクロフォード戦を前にアルバレスをわずかながら有利と見ている。
クロフォードは元ジュニアウェルター級およびウェルター級の4団体統一王者であり、
殿堂入り級のキャリア最大の試合に向けてジュニアミドル級から14ポンド上げて挑む。
クロフォードの元プロモーターであるアラムは、2021年11月に
ショーン・ポーターを10回TKOで下した後に袂を分かれて以来、クロフォードと意見の相違を抱えてきた。クロフォードによる数々の主張や、アラムが取るに足らない訴訟と見なした出来事を経ても、アラムは常にリング上でのクロフォードの実力を尊重してきた。
だからこそアラムは、オマハ(ネブラスカ)出身のクロフォードがアルバレスを徹底的に打ち破り、
誇り高きメキシコ人が再戦を望むよりも引退を選ぶ可能性すらあると感じている。
「もしクロフォードが彼を倒せば、よほどの接戦でない限りカネロはグローブを置くと思う」とアラムは語った。「彼には十分なお金がある。すべては負け方次第だ。接戦であれば、サウジが支払うことを義務づけられている金のために、しばらくは現役を続けるだろう」
「だがもしクロフォードに完全に圧倒されるようなことがあれば、行き場を失って引退すると思う。サウジだって、あのスクール戦のような試合に大金を払ってまで彼を起用しようとは思わないだろう」
Keith Idecは「ザ・リング・マガジン」のシニアライター兼コラムニスト。Xでは @
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