試合そのものにタイトルが与えられるほどのビッグファイトは滅多にない。だが、
カネロ・アルバレス vs
テレンス・クロフォードは、その数少ない例外のひとつだ。
ニューヨークで行われたクロフォードとカネロの記者会見を振り返る座談会において、トゥルキ・アル・シェイク閣下、『ザ・リング』誌のマイク・コッピンジャー、リック・リーノの3人が発言を交わす中で、アル=アルシェイクが考案したという試合名が明かされた。そしてその名を、リーノが番組の終盤で口にした。
「『There Can Only Be One』だ」とリーノは言った。「この時代を代表する2人の最強ファイター。パウンド・フォー・パウンドで頂点に立つ2人だが、勝者はただひとり。この[18万8000ドルの]ベルトを手にするのも、歴史的勝利を挙げるのも、たったひとりだけ。だからこそ、“唯一無二”なんだ。」
アルバレス(63勝2敗2分、39KO)とクロフォード(41勝0敗、31KO)は、同時代における最も実績ある2人のファイターであり、9月13日にラスベガスのアレジアント・スタジアムで行われるこの一戦の勝者こそが、時代の頂点に立つ存在となる。カネロは4階級制覇王者であり、スーパーミドル級では2度の4団体統一を成し遂げている。2度目の統一は、今年5月3日にサウジアラビア・リヤドでウィリアム・スカルを破りIBF王座を獲得したことで達成され、クロフォードとのスーパーファイトへの道を開いた。
クロフォードもまた4階級制覇王者であり、2階級での完全統一を成し遂げている。スーパーライト級とウェルター級で4団体統一を達成した彼は、前戦で無敗の
イスライル・マドリモフを下し、WBAスーパーウェルター級王座も手中に収めた。試合は8月3日、米カリフォルニア州ロサンゼルスで行われた。
土曜日、ニューヨークで行われた記者会見後のフェイスオフでは、両者の間に緊張が走り、関係者が間に入って引き離す場面もあった。これまでに築いてきた殿堂入り級のキャリア、そして盛り上がりを見せるプロモーションがそのまま試合内容に反映されれば、この世代の頂点に立つのは、誰の目にも明らかな真の勝者となるはずだ。