最近の試合で判定に恵まれていない
エイブラハム・ノバ。
6月7日にドイツ出身のアイヴァン・メラズ(65勝72敗3分、41KO)を3ラウンドでストップし白星を取り戻す前、ノバ(24勝3敗1分、17KO)は直近3戦で0勝2敗1分という成績だった。2敗のうち1つは、WBCスーパーフェザー級王者
オーシャキー・フォスターとの王座戦での僅差のスプリット判定負け、もう1つはIBF・WBC・WBOのトップ10にランクインしている無敗の
アンドレス・コルテス(23勝0敗、12KO)に対するユナニマス判定負けだった。
もしノバがフォスター戦の第12ラウンドを取っていれば、試合は引き分けとなり、再戦の正当な理由を得られていたはずだった。だが、フォスター(23勝3敗、12KO)は最終ラウンド残り30秒を切ったところでノバをダウンさせた。
「判定に委ねてはいけない」とノバは、フォスター、コルテス、ガリンドとの試合から得た教訓について『
ザ・リング』誌に語った。「ジャッジが好むスタイルを探ろうと、色々なスタイルを試してみたけど、結局は全力を尽くして相手を倒すしかない。それがあの試合たちから得た最大の教訓だ。ジャッジには頼れない。自分自身を信じるしかないんだ。」
レイモンド・フォード(17勝1敗1分、6KO)はスーパーフェザー級でIBF、WBA、WBCのランキングで4位、WBOで5位に位置している。
直近4勝のうち3勝は判定によるもので、唯一のKO勝ちは2024年2月、ザ・リング誌の「年間最高試合」に選ばれたオタベク・ホルマトフ戦の最終12ラウンド終盤でのストップだった。ニュージャージー州カムデン出身の26歳フォードが、それ以前にKOで勝利したのは2022年11月、ザカリア・ルーカス(26勝3敗1分、18KO)を8ラウンドで仕留めた試合である。
ノバが最後に判定で勝利したのは、2023年1月にアダム・ロペス(17勝6敗、6KO)をユナニマス判定で下した試合だった。
今回、プエルトリコ出身のノバは、
背中の負傷により試合を辞退した元IBFスーパーフェザー級王者
アンソニー・カカーチ(24勝1敗、9KO)の代役として急遽出場する。これまでにもフォード戦の実現を試みたが流れており、それでもノバは「いずれこの試合は実現する」と信じ続けていた。そして今回その直感が的中したことで、ノバはこの対戦が実現した理由はただ一つだと語る。
「自分にはまったく疑いはない」とノバは言う。「自分を信じているし、神様は不思議な方法で物事を運ぶんだ。
レイモンド・フォードと試合をするって、ずっと分かっていた。数か月前にオファーを受けたときは、短期間で、低い報酬だった。でも『この試合は必ず実現する』と思って、ずっとジムに通い続けた。だからその電話を受けたとき、準備はできていた。理想のタイミングじゃなかったけど、最大限に活かして勝利をつかみ取るよ。」