レイモンド・フォードの130ポンド王座挑戦への道に、またひとつ障害が立ちはだかった。
元WBAフェザー級王者のフォードは、8月16日に
アンソニー・キャカセとの一
戦に勝利することで、スーパーフェザー級の世界タイトル戦線に名乗りを上げるつもりだった。
しかし『ザ・リング』のマイク・コッピンジャーの報道によれば、キャカセ(24勝1敗、9KO)はトレーニング中に背中を負傷し、サウジアラビア・リヤドのANBアリーナで開催される「リヤド・シーズン」興行の12回戦を欠場することになった。
プロモーター側は、フォード(17勝1敗1分、8KO)を代替対戦相手とともに同イベントに出場させる方向で調整を進めているが、26歳のサウスポーであるフォードが今回の大会をスキップし、別の興行に回る可能性もある。
36歳のキャカセにとっては、この負傷が、過去13カ月間にわたって続いていたキャリアを一変させる勢いの快進撃に水を差す形となった。
ベルファスト出身のキャカセは、2024年5月にサウジアラビアの首都リヤドで行われた試合で、ウェールズの
ジョー・コルディナ(18勝1敗、9KO)を8回TKOで破り、IBF世界スーパーフェザー級王座を獲得するという番狂わせを演じた。
その後の2試合では、元王者であるイギリス人の
ジョシュ・ウォーリントン(32勝4敗1分、8KO)と
リー・ウッド(28勝4敗、17KO)をそれぞれ判定勝ちと9回TKOで下している。
一方のフォードは、2024年6月にリヤドでイングランドの
ニック・ボールにスプリット判定で敗れ、WBAフェザー級王座を失って以来、スーパーフェザー級に転向。以降の2戦で、プエルトリコのオーランド・ゴンザレス(23勝3敗、13KO)と
クリーブランド出身のトーマス・マティス(22勝5敗1分、17KO)をいずれも10回戦で判定勝ちしている。
キャカセは『ザ・リング』誌のスーパーフェザー級ランキングで3位に位置しており、同10位のフォードよりも7つ上にランクされている。現在、同階級の『ザ・リング』王座は空位となっている。
また、ニック・ボール(22勝0敗1分、13KO)は、同日の興行でオーストラリアの
サム・グッドマン(20勝0敗、8KO)を相手にWBA世界フェザー級王座の防衛戦を予定している。
この興行では他にも、イングランド期待のヘビー級モーゼス・イタウマ(12勝0敗、10KO)とベテランのディリアン・ホワイト(31勝3敗、21KO)による
12回戦のヘビー級マッチが組まれている。さらに、クロアチアのフィリップ・フルゴビッチ(18勝1敗、14KO)とイングランドのデビッド・アデレイェ(14勝1敗、13KO)によるヘビー級戦も同興行で行われる予定だ。
Keith Idec は『ザ・リング・マガジン』の上級記者兼コラムニスト。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡可能。