デレク・チゾラと
ディリアン・ホワイトの三度目の対戦が、クイーンズベリーによる12月13日のマンチェスター大会のメインイベントとして行われることが決定したが、モーゼス・イタウマは同興行から外れることになった。
当初
イタウマ(13戦13勝11KO)は、チゾラのプロ通算50戦目をセミメインに従えて、コープ・ライブ・アリーナでの大会をメインイベントとして飾る予定だった。
デレク・チゾラ(36勝13敗、23KO)は、
ジャレル・ミラーとの対戦が噂されていたが実現には至らず、クイーンズベリーは長年のライバルの一人に方向転換した。
チゾラ対ホワイトの試合は、ロンドンのO2アリーナで行われた土曜夜のイベント中に正式発表される予定だったが、
書類の手続きが間に合わなかった。
それでも、メインイベントで
ファビオ・ワードリーがジョセフ・パーカーに劇的勝利を収めた後の記者会見で、プロモーターのフランク・ウォーレンはこの試合が実現することを確認した。
ウォーレンは「ヘビー級戦線はいま盛り上がっている」と『ザ・リング・マガジン』に語った。「ここ2〜3年で我々が見てきたヘビー級の好試合を思い出してほしい。どれも素晴らしかった。
そして今、こうした試合を次々と実現させている。今夜もまた新たな一戦を発表したところだ。」
「チゾラ対ホワイト戦はすでに決定済みだ。まだいくつか細かい部分を詰める必要があるが、それもすぐに片付ける。」
しかし、Ringのヘビー級ランキングで9位に位置する20歳の逸材モーゼス・イタウマは、今回の興行に出場しないことになった。
イタウマは8月16日にリヤドのANBアリーナで
ディリアン・ホワイトを初回ノックアウトしたのが最後の試合であり、年内にもう一戦行うと見られていた。
クイーンズベリーは、意義のある次戦の実現に向けて尽力していたが、ケント州チャタム出身の破壊的なサウスポーと対戦しようとする相手を見つけるのに苦戦していた。
しかし、WBAが代わりに動く形となり、
正式にイタウマと現セカンダリー王座「レギュラー」王者クブラト・プレフの対戦を指令した。なお、WBAのフル王者は
オレクサンドル・ウシクである。ところがその指令が出された直後、プレフが12月12日にドバイでムラト・ガシエフと対戦することが発表された。
この混乱した状況により、
イタウマが2025年中にリングへ戻ることは難しくなったようだ。過去15か月でプロとしてわずか1ラウンドしか戦っていないイタウマにとって、この知らせは痛手となる。というのも、その間にデムシー・マクキーンとディリアン・ホワイトを初回で、マイク・バログンを2回でそれぞれストップしていたからだ。
12月の興行にイタウマが出場する可能性について尋ねられると、ウォーレンはこう答えた。
「いや、それはない。もしイタウマをその日に出場させると言えば、WBAは“彼はプレフと戦う準備ができていない”と言い出すだろう。そんな面倒なことにはしたくない。」
「プレフの状況を見極める必要がある。WBAがこの試合を指令した以上、彼はその義務から逃れられない。我々としても今後の展開を見守るしかない。」
「彼らはガシエフ戦をドバイで行うと言っているが、私の知る限りWBAはその試合を承認していない。別の試合を指令しておきながら、どうやってその試合を承認できるというんだ。だから現状はこういうことだ。」
その代わりに、ホワイト対チゾラ第3戦がクリスマス直前のマンチェスター興行のメインイベントを務めることになった。ホワイトは、2016年にスプリットデシジョンで勝利し、2018年の激闘の再戦では11回KOでチゾラを倒しており、現在41歳のロンドン出身チゾラに対して2勝0敗としている。
それから7年を経て、両者は3度目の対戦に挑むことになる。依然としてIBFでオレクサンドル・ウシクの最上位コンテンダーに位置するチゾラが、今回も有利と見られている。チゾラは2022年12月に
タイソン・フューリーに敗れて以来、ジェラルド・ワシントン、ジョー・ジョイス、そしてオット・ワリンに連続で判定勝ちし、3連勝中だ。
一方で、37歳のディリアン・ホワイト(31勝4敗、21KO)は、リヤドでイタウマに119秒で敗れた後に引退を求める声もあったが、長年の宿敵チゾラに対して3連勝を狙うチャンスを逃すことはできなかった。