かつて「年間最優秀プロスペクト」に選ばれ、絶対に見逃せないスーパーライト級の有力候補とされた
エルネスト・メルカドは、すでにアメリカ・ボクシング界の未来を担う存在、そして将来の世界王者となることが確実視されている。
マッチルーム・ボクシングの代表エディ・ハーンを味方につけた「ティト」は、世界タイトル挑戦のチャンスが巡ってくるその時に、真の実力を証明する準備ができている。
その試合は、本来であればニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン・シアターでDAZNにて行われ、IBF世界スーパーライト級王者
リチャードソン・ヒッチンズが
ジョージ・カンボソスを
8ラウンドでストップした初防衛戦のアンダーカードとして組まれていた。
「このケガを経験しなければならなかったのは本当に残念で悔しい」とメルカドは『
ザ・リング・マガジン』に語った。「痛みに耐えて試合に出るためにできることは全部やったけど、無理だった。この試合は、自分の名前をさらに轟かせるために必要だった大事な一戦で、大きなノックアウト勝利を挙げて、あの過大評価された道化師リチャードソン・ヒッチンズを挑発するつもりだったんだ。」
メルカドは、6月4日のスパーリング最終日に負傷し、その5日後に正式に試合を欠場することが決まり、ヒッチンズを公然と非難するための足場と発言の機会を失ったと語った。
「ヒッチンズはただの普通のファイターだ。世界王者になれたのは運が良かっただけ」とメルカドは語る。「彼はカンボソスという最も弱い相手を選んで、自分が強く見えるようにしただけ。
そして試合後には“フリーエージェントだ”なんて偉そうなことを言っている。」メルカドは、マッチルームが自分とヒッチンズという、同じく生意気で実力のある者同士の一戦を組んでくれると楽観的に見ている。
「ヒッチンズとの試合は、自分にとって理想的なマッチだ」とメルカドは語った。「俺は口ばっかりのやつと戦うのが大好きだって、誰もが知っている。あいつはそんなに強くないと思う。過大評価されたファイターだ。基本的な基礎はあるけど、
リアム・パロに勝った試合も特に印象に残るものじゃなかった。」
「ヒッチンズは自分を“次のフロイド・メイウェザー”とか“世界で一番イケてるやつ”だと思ってる。でも、ああいうタイプのファイターなら、俺は簡単に攻略できる。俺にはあらゆる武器があるからな。あいつは見た目からして脆そうだし、俺が絶対にぶっ倒してベルトを奪ってやると保証する。あいつは本当に自分にとって最高の相手だし、ニューヨークというヒッチンズの地元で勝てば、さらに大きな満足感と達成感が得られる。あの試合が実現することを願ってるよ。」
メルカドは、秋には完治してリングに戻ることを視野に入れている。対戦相手としてジョナサン・モントレルがそのまま残るかどうかは、現時点では未定だ。
「俺があまりにも早くみんなを倒してるせいで、チャンスをもらいにくくなってる」とメルカドは語る。「できるだけ強い相手を求めて交渉をしているし、提示された相手には全部『やる』と答えてきた。俺が望んでるのはハイレベルな相手だ。一生コンテンダーでいたいわけじゃない。今すぐにでも世界タイトルに挑戦する準備はできている。」
今年1月、マッチルームと契約して初めての試合で、メルカドは元王者ホセ・ペドラサをわずか4ラウンドで粉砕した。驚くべきことに、プロキャリア4年目のメルカドは、
ジェレミア・ナカティラ、ハンク・ランディ、ジェイソン・ベレスといった実力者たちをノックアウトで下しているにもかかわらず、主要4団体のいずれにもトップ15入りしていない。
「他の選手たちがランク入りに値しないとは言わないけど、俺はかなりレベルの高い相手を倒してきた」とメルカドは語った。「もうすでに多くの選手より実績は上だと思う。おかしな話だけど、自分をしかるべき場所へ導いてくれるとマッチルームを信頼している。」
Manouk Akopyanは『ザ・リング・マガジン』の主任ライター。X(旧Twitter)とInstagramで @ManoukAkopyan をフォロー。