リチャードソン・ヒッチンズのニューヨーク凱旋試合となる
ジョージ・カンボソス・ジュニア戦の週がアメリカで始まった矢先、思わぬ事態が発生した。急成長中の同階級の
エルネスト・メルカード(17勝0敗、16KO)が予定されていた試合に出場しないことが明らかになった。
土曜日にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン・シアターで開催されるマッチルーム主催のIBF世界スーパーライト級タイトル戦がメインイベントとして予定されているが、同じ140ポンド級の注目試合が中止となった。これは、エルネスト・メルカードがトレーニングキャンプ中に軽度の負傷を負ったことが明らかになったためである。
チーム・メルカードは公式声明で次のように述べた。「ティトはキャンプ中に軽傷を負ったため、残念ながら今回の試合を辞退することになった。現在は休養と回復に集中し、これまで以上に強くなって戻ってくることを目指している。ティトが“年間最優秀プロスペクト”から有望なコンテンダーへと成長する過程を披露する次戦の日程も、近く発表できることを楽しみにしている。」
1月25日、2階級制覇王者ホセ・ペドラサを4回TKOで下した際に一切の隙を見せなかった23歳のメルカードは、ニューオーリンズ出身のジョナサン・モントレル(19勝3敗、13KO)との10回戦が予定されていた。戦績を着実に積み上げると同時に、変動の激しい階級の中で注目を集め続けている。
カリフォルニア育ちで、ニカラグアとメキシコにルーツを持つパンチャーは、2023年11月に長年のコンテンダーであるジェレミア・ナカティラを2回KOで下した試合を含め、現在6連続ストップ勝利中である。しかし、WBO世界ライト級2位のアブドゥラ・メイソンとは異なり、リスクが低くリターンが大きい好条件の試合を要求できるほどの知名度や影響力は、まだ備えていない。
メルカードは最近、ザ・リング・マガジンのマヌーク・アコピアンにこう語っている。「あまりにも早く全員をノックアウトしてしまうから、なかなかチャンスが回ってこない。できる限り強い相手と戦いたいと思っているし、提案された相手にはすべて“イエス”と答えてきた。トップレベルの相手とやりたい。ずっとコンテンダーでいたいわけじゃない。今すぐにでも世界タイトルに挑戦したい。」
しかし、プロ4年目のメルカードは、いまだ主要4団体のランキングに名を連ねることができておらず、今回の負傷離脱は、ボクシング界において何も保証されていないという現実を改めて思い知らせるものとなった。
今回の試合中止は、ここ7カ月で2度目の出来事でもある。2023年11月9日、フィラデルフィアで行われたジャロン・エニス対カレン・チュカジアン第2戦のアンダーカードで予定されていたヘスス・サラチョ(15勝2敗2分、12KO)との試合は、サラチョが契約体重を7ポンド超過したために中止された。なお、この試合はエディ・ハーンのプロモーションでのデビュー戦として予定されていたものだった。
現時点で、土曜日の興行カードは以下の通りとなっている。
IBF世界スーパーライト級タイトルマッチ:リチャードソン・ヒッチンズ(王者)対ジョージ・カンボソス・ジュニア
IBFライト級挑戦者決定戦:アンディ・クルス対三代大訓
ウェルター級8回戦:パブロ・バルデス対セサール・ディアス
ヘビー級6回戦:テレモアナ・ジュニア対アリーム・ホイットフィールド
スーパーウェルター級6回戦:ニシャント・デフ対ホスエ・シルバ
スーパーフェザー級4回戦:ザクイン・モーゼス対カール・ロジャース
スーパーバンタム級4回戦:アダム・マカ対ラファエル・カスティーヨ