試合表にキューバ人ファイターの名前を見つけたとき、彼について国籍以外に何も知らなくても、どのような戦い方をするかについて、ある程度の予想を立てることができるだろう。キューバ式ボクシングは、防御、フットワーク、正確なカウンターを重視するスタイリッシュなボクシング哲学として知られ、その教えは、史上最も実績あるアマチュアの集団を生み出し、近年では賛否両論を呼ぶチャンピオンやハイレベルなファイターたちを輩出してきた。
現代のキューバ・ボクシングと聞いて、多くの人が思い浮かべるのはギジェルモ・リゴンドーや
エリスランディ・ララだろう。彼らはこの20年ほどの間に北米のテレビ放送で最も多く露出した亡命選手たちである。リゴンドーとララは登場するたびにいくつものノックアウトを記録してきたものの、主に知られているのは、攻撃回数の少ない、計算された冷静な戦いぶりだ。防御技術という面では非常に優れていたが、観客が求める迫力や激しさという点では物足りなさを感じさせることも多かった。
もちろん、国やそのボクサーたちのスタイルは一枚岩ではなく、たとえその一般化が肯定的であれ否定的であれ、すべてに当てはまるわけではない。「メキシカン・スタイル」は超攻撃的なアプローチを指す傾向があるが、フリオ・セサール・チャベスがいれば、ミゲール・バスケスのような選手もいる。「ソビエト・スタイル」は技術に忠実で直立姿勢のボクシングを指すが、
ドミトリー・ビボルがいれば、ルスラン・プロボドニコフのようなファイターもいる。同じように、リゴンドーやララと同時代を生きた選手の中には、打ち合いを避けることとは無縁だったユーリオルキス・ガンボアや
ユニエル・ドルティコスのようなファイターもいる。
今月初め、
ウィリアム・スカルがカネロ・アルバレスと対戦した試合は、
コンピュボックスの記録において12ラウンド戦の中で最も少ないパンチ数(打ち込み数・命中数)を記録し、キューバ・スタイルの評判にとっては好ましくない結果となった。スカルは試合の大半をリングの外周を移動しながら、フェイントを織り交ぜ、時おり単発のパンチを当ててはすぐに距離を取って後退する戦法を取った。フットワークやボクシング技術の細部に強い関心を持つ一部の人を除けば、この試合が見るに堪えない内容だったことは間違いない。この戦いぶりから、スカルは勝敗にこだわらず、できるだけダメージを受けずに試合を終えることだけを目的としていたのではないか、という批判も巻き起こった。
その評価にはおそらく一理あるが、「生き残ることだけを目的とする」ことを除けば、スカルの戦い方はまさにクラシックなキューバ式アマチュア・ボクシングの戦略そのものであり、「戦い」ではなく「競技」としてのアプローチだったと言える。過去数十年の平均的なキューバ人アマチュア選手の3ラウンド制の戦い方を、プロのタイトルマッチの長さに引き延ばしたとすれば、それはちょうどスカルのような戦い方になるだろう。言い換えれば、スカルは自分が意図した通りの試合を行い、勝てたとさえ思っていたと、試合後の声明やインタビューで明かしている。
「カネロがリングをカットできなかったので、自分は距離をコントロールして非常に快適に戦えた。試合を通して、自分の方がクリーンで効果的なパンチを当てていた。カネロの2倍のパンチを放ち、専門家の中には自分が優勢だったという人もいた。ただ、もっと決定的に見せるべきだったと今では思っている」とスカルは声明で語り、さらにFight Hub TVのインタビューではこう付け加えた。「キューバの原則はそうなんだ。打って、打たせない。それが俺たちの思想というのは、誰もが知っていることだ。」
スカルの発言をそのまま受け取るならば、彼の言葉は、プロの世界における“広く理解されているキューバ式”の限界を浮き彫りにしている。たとえそれがメダルを獲得するには非常に有効であっても、ファンやプロのジャッジにとって魅力的であるとは限らないのだ。
しかし時が経つにつれ、スカルのような存在はキューバ人プロボクサーの中では例外に近づきつつある。もともとキューバ式ボクシングは、アルシデス・サガーラ博士によってソビエト式とアメリカ式を融合させる形で体系化されたが、2025年の今、そのキューバ式は世界中のスタイルを取り込んだものへと進化している。年月の中で、そしてキューバにおけるプロ解禁以前からすでに、国際大会での対戦や他国の選手たちの“巡礼”的な訪問を通じて、キューバ人選手と指導者たちは世界の多様なスタイルに触れてきた。その結果、現在のキューバ人ファイターのスタイルは、テレビ放送が始まった1950年代当時のように、再び多様性を帯びてきている。
近年では、クリストファー・ゲレーロのような選手がキャンプ期間中にキューバに滞在したり、ウィリアム・セペダがテビン・ファーマーとの再戦前にキューバ代表チームのメンバーをキャンプに招いたりするなど、交流も活発化している。この“交換留学”とも言える取り組みで、両者は新たな技術や視点を取り入れて帰っていったことは言うまでもない。
現在、競技の最前線に立つキューバ人ファイター、デビッド・モレル、アンディ・クルス、ロベイシ・ラミレスらのスタイルには、たしかにキューバの伝統的な教えが息づいている。しかし、その戦いぶりは、文脈を抜きにして見ると一見してキューバ式とはわからないほどに多様化しており、現代ボクシングがいかに多文化的で、学びのモザイクであるかを示す好例となっている。
今後数週間のうちに、競技界で最もハードパンチャーとされる若手2人、27歳のキューバ人
オスレイス・イグレシアスとヨエンリ・ヘルナンデスの試合が予定されている。ヘルナンデスは
カレブ・プラント対ホセ・アルマンド・レセンディス戦のアンダーカードでカイロン・デイビスと対戦し、イグレシアスは間もなく暫定世界タイトル戦またはタイトル挑戦者決定戦への出場が見込まれている。
彼らの名前の横に表示されたキューバ国旗を見て、何も知らない観客がスカルのような退屈な試合を想像して先にため息をついてしまうかもしれない。しかし、それは現実とかけ離れた予想だ。もし誰かがそう思っているのを見かけたら、2月にヘルナンデスがアンヘル・ルイスを粉砕した試合や、11月にイグレシアスがペトロ・イヴァノフを衝撃的なノックアウトで沈めた試合をぜひ見せてほしい——ただし、特に後者は強い閲覧注意とともに。
新たにアップデートされた教科書を手にした新世代のキューバ人ファイターたちは、もはや技術マニアのためだけの存在ではない。彼らはライト層にも訴える。心理とドラマ、スタイルと本質、そのすべてを学び取った戦士たちなのだ。