欧州ライトヘビー級王座決定戦、
シャカン・ピターズ対
ブラッド・レーの一戦は、6月28日(土)にイングランド・ハルのコネクシン・ライブ・アリーナで開催されることとなった。
この試合は
当初、同日アイルランドのゴールウェイで開催され、地元の人気選手キーラン・モロイとカイジー・ベンジャミンによるウェルター級戦のセミファイナルとして予定されていた。
元英国王者のピターズ(20勝2敗、7KO)と、レー(20勝1敗、10KO)によるEBUライトヘビー級王座決定戦は、日程と会場の変更に伴い、新たな興行のメインイベントとしてDAZNにて独占配信される。
「シャカン・ピターズとブラッド・レーによる欧州ライトヘビー級タイトル戦を非常に楽しみにしている。両者ともに非常にハングリーな選手であり、このタイトルを勝ち取ることが、将来の大きなチャンスを手にする鍵であり、世界レベルで名を上げることにつながると理解している。この一戦は壮絶な戦いになるだろう。両者ともに全てをリングに置いてくるはずだ」と、GBMスポーツのCEOであるイジー・アシフは声明で語った。
「我々はアイルランド初進出を楽しみにしていたが、我々の管理の及ばない事情により、このイベントは英国で開催されることとなった。GBMは、ゴールウェイでチケットを購入してくれた何千人ものファンに感謝しており、今後エメラルド島を訪れることを楽しみにしている。その間、購入済みのチケットは全額返金のため、購入場所に返却可能である。」
ピターズとレーにとっては、会場の変更にもかかわらず試合が無事開催されることになり、ようやく複雑な一連の出来事に終止符を打つ準備が整ったと言えるだろう。
今年2月、ピターズは当時EBU王者であったダニエル・ブレンダ・ドス・サントスとの対戦が、イングランド・シェフィールドで予定されていた。
しかし、ドス・サントスは試合直前、脳の事前検査に関する問題が発覚し、出場を辞退。その後すぐに問題は解消され、試合は4月にロンドンで再設定された。
ところが今回は、35歳のピターズが試合週に胸の不調により入院し、再び試合が中止となった。
代役として名乗りを上げたのがレーであったが、
ドス・サントスは再び試合数時間前に体調不良を理由に出場を取りやめ、レーのチャンスはまたも消滅した。
わずか2か月の間に2度も防衛戦をキャンセルした王者に対し、
EBUはドス・サントスから王座を剥奪。そして、医師の許可を得たピターズと、辛抱強く機会を待っていたレーに対し、空位となった王座を争うよう指示を出した。
ご辛抱いただき感謝する。
レーは幾度となく運に見放されてきたが、マネージャーであるスティーブ・ウッドの名が携帯に表示されたとき、彼の心臓は一瞬止まりかけたに違いない。だが今回は朗報であった。
レーは、無敗だったリー・カトラーおよびクレイグ・マッカーシーを初回ノックアウトで下し、全国規模の舞台で強烈な印象を残した。しかしその後、2022年11月に将来EBUミドル級王者となるタイラー・デニーとの激戦に判定で敗れ、あっけなく小規模会場の興行へと逆戻りさせられた。
ストレットフォード出身、現在27歳の彼は、その後2年間ライトヘビー級でキャリアを立て直した末に、世界の舞台で自らをアピールするまたとない機会を与えられた。今年初め、
アルトゥール・ベテルビエフ対ドミトリー・ビボルによるライトヘビー級統一戦のアンダーカードで、スウェーデンの有望株コンスタンティーノ・ナンガとの対戦が組まれていた。
しかしナンガの直前の欠場により、サウジアラビアのビッグイベント出場の機会も失われた。
さらにその6週間後、ドス・サントス戦が決まりかけるも、彼の体調不良によりまたもチャンスを逃した。
今回、ピターズとの一戦は、彼にとってようやく訪れた正当な機会である。この興行には、世界ランキング入りしているスーパーライト級の
ショーン・マコーム(18勝2敗、5KO)、ヘビー級の
ヒューイ・フューリー(30勝3敗、17KO)、そして無敗のミドル級ホープ、
シャキール・トンプソン(14勝無敗、10KO)も出場予定である。