アダムスは、ほぼ全ラウンドがインサイドでの攻防となった10回戦のミドル級戦で、終始よりダメージの大きいパンチを打ち込む。36歳のアダムスは4年半前の初戦でボハチュクをKOしていたにもかかわらず、この試合ではアンダードッグ扱いだったが、ボディへの左フックと顔面へのオーバーハンド右を次々と決め、カネロ・アルバレス対テレンス・クロフォード戦のアンダーカードで判定勝利をつかむ。
ジャッジのエリック・チーク(99-91)、グレン・フェルドマン(98-92)、パトリシア・モース=ジャーマン(98-92)がそろってアダムスに採点した。
大半のブックメーカーはウクライナの
ボハチュク(26勝3敗、24KO)を少なくとも4対1の有利と見ていた。理由は、2021年3月にアダムスに敗れた後、8勝1敗と巻き返していたからだ。その間の唯一の敗北は、2024年8月にラスベガスで行われたWBC暫定スーパーウェルター級王者ヴァージル・オルティス(23勝0敗、21KO)とのマジョリティ判定負けだった。
一方で、比較的試合間隔が空いていたカリフォルニア州ウィッティア出身のアダムス(26勝4敗、16KO)は、再戦前の最後の試合でギリシャのホープ、
アンドレアス・カツラキス(16勝0敗、11KO)に敗れていた。しかし土曜の夜、アダムスは昨年11月22日にアトランタでカツラキスにスプリット判定で敗れたときよりもはるかに効果的な動きを見せた。
ボハチュクを再び下したことで、アダムスのキャリアは息を吹き返し、同時にボハチュクはオルティスとの再戦や、10月25日に予定されている
WBCスーパーウェルター級王者セバスチャン・フンドラ対キース・サーマンの勝者への挑戦のチャンスを失うことになった。土曜の夜、試合が第10ラウンドに入った時点で、ボハチュクには初戦でアダムスが8回に決めたようなKOが必要だった。しかし最後の3分間でアダムスを痛めつけることはできず、勝つには到底足りていないことを悟った。
第9ラウンドでは、これまでよりもア
ダムスを下がらせる場面を作り、右アッパーを数発当てたものの、効果的に効かせることはできなかった。
第8ラウンド終了のゴング直前、アダムスの左フックが無防備なボハチュクをとらえ、体勢を崩させる。その時点で、アダムスは完全に主導権を握っているように見えた。
第7ラウンドの終盤には、アダムスが右を顔面に、左をボディに打ち込み締めくくった。
第6ラウンド残り1分15秒頃には、アダムスの右の顔面打ちと左ボディショットでボハチュクを後退させる。それ以前にも右を何発か決め、試合の流れを掌握していた。
第5ラウンドでは残り1分余りの場面で、アダムスの右がヒットし、ボハチュクのバランスを崩させた。
第4ラウンドも序盤3ラウンドと同様、両者が距離を詰めて踏みとどまり、力強いパンチを打ち合う展開となった。
第3ラウンドは互いに距離を詰めたまま上下にショートパンチを出し合ったが、主導権はどちらにも渡らなかった。
第2ラウンドはアクション満載で、ボハチュクの右アッパーがガードを割ってアダムスにダメージを与える場面も。第1ラウンド同様、両者はパンチを交換し合った。
試合開始の第1ラウンドからは、互いに至近距離で強烈な顔面・ボディショットを打ち合う展開に。特にアダムスの重い左ボディブローが、最も印象的な有効打として目立った。
今回の試合は、初戦とはまったく異なる流れをたどった。
初戦はプエルトリコ・グアイナボで行われたジュニアミドル級戦。第8ラウンド終了間際までボハチュクがスコアカード上で大差をつけてリードしていた(69-63、68-64、68-64)。しかし残り26秒、アダムスの強烈な左フックがボハチュクの頭を跳ね上げ、リングに沈めた。ボハチュクはラモン・ペーニャ主審のカウントに応じて立ち上がったものの、まっすぐ立てず試合はストップとなった。
当時、ボハチュク陣営は即時再戦を求めたが、両者はその後別々の道を歩み、今夏になってようやく今回の再戦が実現した。
Keith Idecは『ザ・リング』の上級ライター兼コラムニストである。Xでは @idecboxing で連絡できる。