【ロザラム(イングランド)発】──昨年9月のマーク・チェンバレン戦で番狂わせを演じた
ジョシュ・パドリーが、今週土曜の
リース・ベロッティ戦を前に語った落ち着いた口調と実務的な言葉には、はっきりとしたメッセージが込められていた。
この週末の試合は、彼がフルタイムでボクシングに専念してきた努力と犠牲を正当化する場であり、かつ過去最高のパフォーマンスを見せる機会でもある。
「チェンバレン戦で自分が何ができるかを見せた。リース(ベロッティ)はマークほどのものを何も持っていない。階級を下げることは自分にとって有利で、そこに皆が注目しているんだ」と、パドリーは木曜のフェイスオフで語った。
「リースは経験豊富で、これまで素晴らしい相手と戦ってきた。でも、俺のスーパーフェザー級でのキャリアのスタートにふさわしいのは、彼を止めて見せ場を作ることだ。」
この10ラウンドのスーパーフェザー級戦は、
デイブ・アレン対アルスランベク・マフムドフ戦に先立って行われるセミファイナルとして組まれており、マッチルームのシェフィールド興行の一環として
DAZNで世界中に配信される。
こうした発言についてその後ベロッティに確認すると、34歳の彼は簡単には納得しなかった。
「体重はすべての試合で大きな要素になる。ジョシュはチェンバレンより140ポンドでの動きにずっと慣れている」と、ベロッティは
『ザ・リング・マガジン』に語った。
「彼は素晴らしいパフォーマンスを見せて勝利に値したのは間違いないし、シャクール・スティーブンソン戦に出たのも当然の選択だ。同じ英国人として勝ってほしかったよ。ただ、それ以外の対戦相手は、俺のこれまでの相手に到底及ばない。そこが土曜の試合では大きく影響するだろう。」
ポーツマス出身のサウスポー、チェンバレン(17勝1敗1分、12KO)はあの晩ウェンブリーで140ポンド級デビューを果たし、今年8月には
英国・コモンウェルス王者ジャック・ラファティと12ラウンド引き分けを演じ、階級に順応してきている。
一方のパドリーは同階級でより長く戦っており、4月のツベタノビッチ戦でのストップ勝ち後、シャクール・スティーブンソンからSNSで称賛されるなど評価も高まっている。今週土曜の試合では、彼が1/4(-400)の本命と見られているのも当然かもしれない。
だが、ほんの8か月前までベロッティ(20勝6敗、15KO)はスーパーフェザー級の英国・コモンウェルス両王座を保持し、マンチェスターでの
マイケル・ゴメス・ジュニア戦では9ラウンドでの激闘の末に王座を防衛していた。
その翌週、短期オファーで試合を受けたパドリーは、
WBCライト級王者シャクール・スティーブンソン相手に健闘を見せるも、9ラウンドで陣営がタオルを投入し惜敗。瞬く間に両者の立場は逆転した。
現在ベロッティは再び大きなアンダードッグとして見られており、オッズメーカーの多くが彼を17/4(+425)で不利と予想している。
この評価の背景には、わずか11週間前、クイーンズベリー興行のメインでライアン・ガーナーに
12ラウンドで完敗した影響もあるかもしれない。
「その2日後にこの試合の電話が来た。これまで試合を断ったことは一度もないし、興味があるかと聞かれて『もちろん』と答えたよ」とベロッティは言う。「タイミング的には確かに前回の敗戦と近いけど、まったく問題ない。自分は一貫性のある活動を好むし、ジムに戻ってまた動き出したかったんだ。」
「彼(パドリー)にとってスーパーフェザー級初の試合だから、自分がどのくらいやれるかという不安は頭にあるはず。その疑念と当日戦うことになるだろう。しかも、相手は平凡なスーパーフェザー級選手じゃない。元英国&コモンウェルス王者を相手に、厳しい夜になる。彼もすぐに思い知ることになるだろう。」
3か月前、ボーンマスでの試合後インタビューでは引退も口にしていたベロッティ。今回負ければ引退かと問われた。
「このスポーツへの愛は決して失わない。でも、もしパドリーに勝てなければ、自分が目指す場所には行けない。それだけは明確だ。自分は彼より強いと信じているし、それを土曜の夜に証明してみせる。皆すぐに分かるはずだ。」