イングランド・ボーンマス発 —
ライアン・ガーナーはキャリア最高のパフォーマンスを披露し、英国・英連邦・ヨーロッパのジュニアライト級タイトル戦で経験豊富な
リース・ベロッティを最終ラウンドでストップし、世界タイトル戦に一歩近づいた。
元英国王者
リアム・ディロンや高評価の
アーチー・シャープを破った後、「ピラニア」(18戦18勝9KO)は、
無敗のスペイン人サルバドール・ヒメネスを12ラウンドにわたるアクション満載の激戦で圧倒し、3月に空位のヨーロッパ王座を獲得した。これまでのガーナーも素晴らしかったが、ベロッティほどの経験、自信、パワーを持つ相手と対戦するのは初めてだった。
2021年、リース・ベロッティ(20勝6敗15KO)は、将来のWBA王者
レイ・フォードに3回でストップされ、キャリア5度目、そして3連敗目の敗北を喫した。しかし彼は競技から身を引くのではなく、ジュニアライト級へ転向して自らを再生させた。その結果は見事なものだった。
彼は6連勝中でこの試合に臨み、その間に英国王座と英連邦王座を獲得し、若くてハングリーな選手たちを次々と退けてきた。
この挑戦にもひるむことなく、ガーナーは素早く立ち上がった。彼はその正確さとタイミングで知られており、開始早々に左フックやスクリューショット2発をヒットさせて命中させた。危険を察知したベロッティは、ガーナーをロープ際に押し込むような強引な戦い方に出始めた。
突進の合間にはフットワークを駆使し、ガーナーのパンチを空振りさせる場面も見られた。
第3ラウンド序盤、両者は左フックをヒットさせ、ガーナーは徐々に距離とリズムを掴み始めた。ベロッティも見せ場を作ったが、観客の目を引くパンチを決めていたのはガーナーだった。さらに悪いことに、ベロッティはバッティングにより右目の上をカットし、その傷を抱えてコーナーに戻った。
サウサンプトンの宿敵ポーツマスの青いトランクスを身にまとったベロッティは、ガーナーのハンドスピードに苦戦していた。職人的なスタイルでプレッシャーをかけ続けたが、ガーナーの創造性や華やかさには及ばなかった。
何度も、ガーナーは左でフェイントをかけて右を打ち込んだり、フェイントなしで強烈なワンツーを放ったりした。ベロッティも一度、強い左フックをヒットさせたが、試合の後半に入る時点でポイントで劣勢に立たされているように見えた。
第7ラウンドにはベロッティの手数が落ち、ガーナーが試合を支配。このラウンドはガーナーにとって最も充実した内容となり、クリーンヒットを何発も決めた。
たまに放つオーバーハンドの右を除けば、ベロッティの戦術は尽きかけていた。完全に主導権を握ったガーナーは、右ストレートとショートの左フックを的確に決め、前に出てくるベロッティに対して巧みに足を使って距離を調整した。
流れを完全に掴んだガーナーは、試合がチャンピオンシップラウンドに突入するとさらに攻勢を強めた。両手で的確に打ち込み、11ラウンドには強烈なパンチで2度にわたってベロッティをぐらつかせた。
そして、判定勝ちを狙うのではなく、ガーナーはフィニッシュを狙いにいった。右ストレートと左フックでベロッティを動けなくし、さらにもう一発の右でベロッティをロープ際までよろめかせたところで、レフェリーのヴィクター・ロクリンが12ラウンド開始から45秒で試合を止めた。
サウサンプトンFCのホームスタジアムでの世界タイトル戦実現に向けて、着実に機運が高まっており、ガーナーがこのまま成長を続ければ、かつて夢にすぎなかったその舞台が現実味を帯びてきている。