大きな格下と見なされ、無名に近い存在でありながら、WBAの1位挑戦者として臨んだカルデナスは、PFP最強の一人であるイノウエを第2ラウンドでダウンさせ、その後8ラウンドでストップされるまで堂々と渡り合い、年間最高試合候補となる戦いで実力を証明する。
カルデナスは復帰戦に向けてさまざまな選択肢を検討しており、なかでも特に関心を寄せているのが
中谷潤人との対戦である。中谷は現在のバンタム級統一王者であり、12月27日にサウジアラビアで開催予定の「日本対メキシコ」カードで122ポンド級に初挑戦する見込みだ。この「リヤド・シーズン」イベントでは、
スーパーバンタム級4団体統一王者が井上尚弥メキシコの挑戦者ダビド・ピカソと対戦する試合がメインを飾る予定となっている。
「イノウエと良い試合をした相手と戦いたいという意図があるなら、ナカタニ陣営が僕との試合を望むのは理にかなっていると思う」とカルデナスは『
ザ・リング』誌に語る。「彼は本当に優れた選手で、3階級制覇王者である理由もある。でも僕は誰かの関門役じゃない。もしその試合とチャンスに意味があるなら、やろうじゃないか。僕はやる覚悟がある。」
「誰とでも戦うつもりだ。相手なんて関係ない。イノウエ戦の後で、みんな今ではそれを理解している。今は誰と戦っても、僕の試合を楽しみにしてくれる。僕は闘うためにここにいるのであって、ただ金をもらいにリングに立ってるわけじゃない。勝つために来てるんだ。」
「ディナミータ」カルデナスは最近日本を訪れ、イノウエ戦後に現地で十回近く声をかけられたと語る。
「イノウエ戦を境に、自分の人生もキャリアも昼と夜ほど変わった」とカルデナスは言う。「今では多くの人が僕に気づいて、写真を頼まれるようになった。劇的な変化だけど、これは子どもの頃からずっと望んでいたことなんだ。責任を持って、他の人の模範になれるのは嬉しいし、誇りと幸せを感じているよ。」
もし中谷戦が実現しなかった場合でも、カルデナスはイノウエの過去の対戦相手で元王者でもある
ルイス・ネリや
マーロン・タパレスとの対戦にも前向きで、自身のイノウエ戦でのパフォーマンスが偶然ではなかったことを証明したいと語る。
「122ポンドで王座を獲りたいと思っているけど、イノウエがこの階級にとどまるのも分かっている」とカルデナスは言う。「だから126ポンドへの転向も考えている。この階級には統一王者がいないし、まだ誰か一人に支配されているわけじゃない。僕は王者を追いかけたいんだ。」
カルデナスはイノウエとの再戦もぜひ望んでいるが、少なくとも今後12か月以内にその試合が実現する可能性は低いと見られている。
井上尚弥の次戦は9月14日で、相手はムロジョン・アフマダリエフ。彼はカルデナスと同じく、カリフォルニア州インディオでジョエル・ディアスの指導を受けている。
「ファンが楽しめる最高の試合になることを願っている」とカルデナスは語る。「この対戦は本当に楽しみだよ。なぜなら、両者とも本気で戦いに来るのを知っているからね。」
Manouk Akopyan は『ザ・リング』誌の主任ライター。X(旧Twitter)およびInstagramで @ManoukAkopyan をフォロー。