10回戦のスーパーウェルター級マッチは、ウォルシュとバルガスにとって最大級の舞台で自らを証明する機会となる。9月13日にネットフリックスが世界3億人以上の加入者に配信する共同メインイベントで、両者は何百万もの新規ファンを含む巨大な観衆の前に立つことになる。
勝者はキャリアで最も注目すべき勝利を手にし、154ポンド級での地位を押し上げるだろう。敗者もまた、格下相手で戦績を飾るのではなく、困難な試合に挑む姿勢を示したことになる。
アイルランド出身のウォルシュ(14戦14勝11KO)は、ローフラーの「360プロモーションズ」に所属し、ラスベガス出身のバルガス(17戦17勝15KO)に対して多くのブックメーカーで4対1の有力視を受けている。バルガスは元スーパ ーウェルター級王者である父が指導を務める一方、ウォルシュは国際ボクシング名誉の殿堂入りトレーナー、フレディ・ローチの指導を受け、さらにUFC代表兼CEOのデイナ・ホワイトからも注目され、UFCファイトパスのメインイベントでプッシュされてきた。
「カネロ対クロフォードの共同メインほど大きな舞台はない」とローフラーは『
ザ・リング』に語る。「2人の若く無敗でハングリーなエキサイティングなボクサー同士が戦う。これこそボクシングに必要なものだ。ファンが求めている試合なんだ」
「彼らは無敗の戦績を懸けている。実際は無敗記録を保ったまま数年間キャリアを続けることも可能だっただろうが、これは両者にとって非常に危険な試合だ」
同じ原則は、ウォルシュ対バルガス戦の前に行われるカネロ対クロフォードのアンダーカードにも当てはまる。
アル・シェイクは、ラスベガスのアレジアント・スタジアムで見せたい無敗ボクサーの一人として、
危険なスーパーミドル級のクリスチャン・ムビリをターゲットにした。カメルーン出身で現在はカナダ・モントリオールに在住・拠点を置くムビリ(29戦29勝24KO)は、長らくメキシコのスーパースター、アルバレスの持つ『ザ・リング』誌、IBF、WBA、WBC、WBOの168ポンド王座への挑戦を望んできた。ムビリは今回も喜んで、ハードパンチャーのグアテマラ人コンテンダー、レスター・マルティネス(19戦19勝16KO)とのハイリスク・ハイリターンの試合を受け入れた。
マルティネスもまた、キャリア最大の試練を受け入れた。WBC暫定王座を保持するムビリは、
『ザ・リング』誌スーパーミドル級ランキングで1位に位置する一方、マルティネスは168ポンドでトップ10から外れている。
「クリスチャン・ムビリとレスター・マルティネスの試合は素晴らしいものになると思う。ファンにとっても楽しめる試合になるだろう。2人とも強打者だからね」とローフラーは語った。
無敗の有望株で身長206センチのヘビー級イワン・ディチコも、カネロ対クロフォード興行のYouTube配信部分で、
アメリカのベテラン、ジャーメイン・フランクリンとの対戦を通じて自らの実力を証明しようとする。フランクリン(23勝2敗15KO)に勝利したのは、元2階級ヘビー級王者アンソニー・ジョシュアと2度の世界挑戦経験を持つディリアン・ホワイトのみで、いずれも判定勝ちだった。カザフスタン出身のディチコ(15戦15勝14KO)は二度のオリンピック銅メダリストだが、プロ転向から約8年間、慎重にマッチメイクされてきた。
「イワン・ディチコがリングに立つのを本当に楽しみにしている。彼はカザフスタン出身の巨大なヘビー級選手だ。私はゲンナジー・ゴロフキンをプロモートした経験もあるから、カザフのボクサーについては多少知識がある。ディチコについて聞く限り非常にエキサイティングでトップクラスの才能だ。ジェーメイン・フランクリンのような実力者相手にどう戦うのか楽しみだ」とローフラーは語った。
それでもローフラーが最も注目しているのは、24歳のウォルシュが28歳のバルガスをどう攻略するかである。
「カラムは立ち上がりがとても速い。初回から全開で攻め立てるタイプだ。一方、バルガス・ジュニアも多くのKO勝ちを記録していて、逃げ回るようなボクサーじゃない。序盤からビッグパンチの応酬が見られるだろう。さらにバルガスを支持するメキシコ系アメリカ人のファンと、カラムを応援するアイルランドのファンという熱狂的な支持層もいる」とローフラーは語った。
Keith Idec は『ザ・リング』誌の上級ライター兼コラムニストである。Xでは
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