カネロ・アルバレスが“あの
カネロ・アルバレス”らしく見えなくなって、しばらく経つ。
5月3日にウィリアム・スカル相手に苦戦したが、それでも何とか接戦をユナニマス・デシジョンでモノにした。だが、そのツキも数週間前に尽きてしまった。
テレンス・クロフォードは2階級上げて
9月13日、ラスベガスのアレジアント・スタジアムでアルバレスをアウトボックスした。世界タイトルこそ失ったものの、アルバレス(63勝3敗2分、39KO)はまだ引退する男の口ぶりではなかった。
もし彼がリングにとどまり、なおかつ結果を残すつもりなら、
オスカー・デ・ラ・ホーヤには彼が取るべき道が見えている。
「新しいトレーナーを見つけろ」――デ・ラ・ホーヤはFight Hub TVにそう語った。
エディ・レイノソとアルバレスはキャリア初期から常に二人三脚だった。2013年の
フロイド・メイウェザー戦、2021年の
ドミトリー・ビボル戦で判定負けを喫した後も、アルバレスは“年間最優秀トレーナー”の肩書を持つレイノソとのコンビを続けてきた。
忠誠心はデ・ラ・ホーヤが普段なら尊重するものだが、このケースでは例外だ。彼の見立てでは、アルバレスは現状にとどまっていても進歩しない。
「引退するか続けるかは彼にアドバイスできない。それはすごく個人的な決断だからね。でも言えることはある。新しいトレーナーを見つけろ、そうすればもっと良くなる。新しいトレーナーなら違う技を教えてくれる」――デ・ラ・ホーヤはそう続けた。
今のところ、ボクシングはメキシコのスターの頭から最も遠いところにある。クロフォード(42勝0敗、31KO)に無敗のまま王座を奪われたアルバレスは、次の一手を発表する前にしばし休養を取ってリラックスするつもりだ。
かつてアルバレスをプロモートしていたデ・ラ・ホーヤは、彼の時代が終わったとは思っていない。6階級制覇の元王者は、レイノソがそばにいなければアルバレスは再建し、カムバックできると感じている。
「彼にはまだエリートたちと何試合も戦うチャンスが残っている」――デ・ラ・ホーヤは言った。「でも、新しいトレーナーが必要だ」