昨年12月、リヤドでの2戦目でタイソン・フューリーをより明確な判定で下し、2連戦を完遂したオレクサンドル・ウシクは、あることをはっきりさせた。

彼には休息が必要だった。妻イェカテリーナと4人の子どもたち──特に昨年のトレーニングキャンプ中に出産に立ち会えなかった末娘マリア──と過ごす時間。ボクシングから完全に離れる機会が必要だった。

それは、試合後にリングへなだれ込み再戦を要求したダニエル・デュボアへの対応でも、敗北を不服とするフューリーでもなく、かつて無敵を誇ったクルーザー級への野心的な階級転向でもなかった。

だが、『ザ・リング・マガジン』の取材で、リング復帰を意識するようになったのはどれくらい経ってからかと尋ねられると、ウシクは「それほど時間はかからなかった」と認め、こう明かした──

「2週間。それ以上じゃない」7月19日、因縁の再戦が行われるウェンブリー・スタジアムでの囲み取材にて、彼はそう語った。

「試合後は仲間たちとスペインへ行った……ランニングしたり、バイク、プール、腕立て伏せ……良くないけど、仲間たちといたかった。クロスフィットやシャドーボクシングのような通常トレーニングもしてた。

妻に電話して『ねえ、家に帰るよ。ジムに行きたいんだ』って言ったんだ。彼女は『知ってるわ』って。毎日トレーニングしてた──土日以外は。サウナに入って、それから教会へ行って祈ってた」

「時々、自宅の2階でディフェンスの動きをしてて、妻に『俺を殴ってみて！』って頼んだりもするんだ」

その場にいた記者たちは大爆笑。ウシクは、妻が彼を抱きしめようとしてきたことをジェスチャーで示し、「いや、それじゃない！」と笑いながら語った。

こうした瞬間には忘れてしまいそうになるが、ウシク（23勝0敗、14KO）は、ただの無敗王者ではなく、38歳という年齢でヘビー級の中で別次元の存在となり、「次世代への継承」を求められる立場にある。

11歳年下のデュボア（22勝2敗、21KO）は、キャリア最高の状態にあり成熟を見せているが、2023年8月のヴロツワフでの対戦で、ロー・ブローを巡る論争があったにせよ、ウシクは心理的優位を保っている。

未来を語り「どんな手を使ってでも勝つ」と意気込むイギリス人に対し、ウシクは引退の話を一蹴し、新たな動機として「3階級での統一王者」を挙げた。

ウシクのマネージャーであるエギス・クリマスは、フューリーとの再戦後に記者たちへ問いかけた。

「彼が最強であることを証明するために、何をこれ以上証明する必要がある？　誰も答えないな。ありがとう」

部屋はそのまま「ウシク！」コールに包まれた。

ウシクは、2度目のフューリー戦の方が簡単だったと語った。一方、アンソニー・ジョシュア戦はそうではなかったし、多くは次のデュボア戦の方がさらに難しくなると見ている──デュボアは昨年9月、満員のウェンブリーでジョシュアを圧倒した。

その時は「世代交代」の瞬間と多くの人が称賛したが、不安の声も根強く残った。WBO暫定王者ジョセフ・パーカー（36勝3敗、24KO）との対戦が予定されていたものの、試合週の後半にデュボアが体調不良に見舞われ、試合は急遽中止となった。パーカーは今も控えており、その一戦が実現していないことが、状況に一抹の不透明さを残している。

勢いとキャリアの流れに惑わされそうになるが、訪問者である王者はどこか揺るぎない落ち着きを見せる。

デュボアの強みと弱点、ボディブローを受ける可能性も把握した上で、ウシクはむしろスポーツ内での役割の進化──経験ある先輩として、支えや励ましを必要とする者たちへの存在意義を語る。

通訳を通じて、チームディレクター兼トレーナーのセルゲイ・ラピンは、一部の者は注目を浴びることを避けるが、自分たちはこのポジションにたどり着くまでに皆で非常に努力してきたと説明する。だが、話を続ける前にウシクが口を挟んだ。

「彼らは人生を捧げ、家族との時間や自由を犠牲にしてきた。もちろん、それはお互い様だ。我々は兄弟のような絆で結ばれている」

無敗のライトヘビー級コンテンダー、ダニエル・ラピン（11勝0敗、4KO）は、WBAの5月更新で第8位にランクインしたばかり。27歳の彼は、ここに数フィート離れた場所で誇らしげに座っている。ウシクは彼を含む仲間たちの存在を語り、これは自分一人の物語ではないことを強調する。

「自由時間があれば、サッカーをしたり、家の中で何かを壊して妻を怒らせる方がいい。酒を飲んだり、タバコを吸ったり、クラブに行ったりなんてしたくない」トップアスリートによくある放蕩的なライフスタイルを避けたいという姿勢だ。例として挙げたのは引退した元ブラジル代表FWのロナウド。「彼はキャンディーの広告塔みたいな存在だった」とし、自身はそうなりたくないという。

その後の記者会見では、かつて「いつかウェンブリーでプレーする」と信じていたと冗談交じりに語り、今それが現実となることに喜びをにじませた──祖国の英雄ウラジミール・クリチコが8年前に同じ舞台に立ったように。

当時27歳で絶好調だったジョシュアは、IBF王座を防衛していた。フューリーとの長期戦を経たクリチコは予想を上回る好内容を見せ、『The Ring』誌の2017年「年間最優秀試合」にも選出された。そしてその後、静かにグローブを置いた。デュボアは「イギリスボクシングの歴史を塗り替える」と宣言。ウシクも、それに同意している。