約3年越しの待望カードがついに正式決定した。
スーパーバンタム級4団体統一王者・
井上尚弥と、WBA暫定王者
ムロジョン・アフマダリエフが、名古屋のIGアリーナで行われる世界タイトル決戦を前に、ともに122ポンドのリミットを下回り計量をクリアした。
リング誌王座も保持する井上は地元の大舞台で堂々とスケールに乗り、121.7ポンドを記録。これで2025年3度目のリングとなる。
対するアフマダリエフも仕上がったコンディションで登場し、121.3ポンドと井上よりわずかに軽い体重でクリア。リング誌PFPランキング2位の井上に挑む構えを見せた。
メキシコの無名選手ルイス・カスティーヨを
グアダラハラで8回TKOに下してから3カ月半、30歳の挑戦者は、ビッグマッチ続きの週末興行で主役をさらうチャンスを手にしている。
マッチルームの後押しを受けるアフマダリエフ(14勝1敗11KO)は、WBA・IBF世界タイトルを獲得し3度の防衛に成功したが、2023年4月、プロモーターのエディ・ハーンが井上戦の可能性を口にしていた矢先に、マーロン・タパレスにまさかの12回スプリット判定負けを喫した。
一方、井上は同年7月、WBC/WBO王者ス
ティーブン・フルトンをわずか7回で粉砕しスーパーバンタム級に衝撃デビュー。その後12月26日にはタパレスを10回KOで下し、あっさりと借りを返した。
こうして井上は2023年を、4階級制覇かつ2階級で4団体統一を成し遂げた王者として締めくくった。それ以来、両者はそれぞれの道で勝利を積み重ね、アフマダリエフの井上追撃はさらに加速。ついに井上が対戦を受けるか、WBA王座を返上するかの状況に追い込んだ。
金曜の計量では、これまで見られたような井上と父・真吾の礼儀正しい所作や伝統的な衣装は消え、勝負モード全開。重い拳を誇るウズベク人挑戦者は、もはや無視できない存在に成長した。
果たして彼は、日本が誇る最強戦士を“絶妙のタイミング”で捉えているのか。ルイス・ネリ、
ラモン・カルデナスと1年おきにダウンを奪われていることから、井上の脆さが増していると感じる批評家も少なくない。
両者が勝利を収めれば次なるビッグマッチが待っているが、
寺地拳四朗の直近の試合が示したように、この競技はトップ中のトップですら予測不能であることを改めて証明している。
大会の全対戦カードは以下の通り
12回戦
スーパーバンタム級4団体統一戦:井上尚弥(王者) vs. ムロジョン・アフマダリエフ
WBO世界バンタム級タイトル戦:武居由樹(王者) vs. クリスティアン・メディナ・ヒメネス
ミニマム級:松本流星 vs. 高田由仁
日本ライト級タイトル戦(JBC認定/10回戦):今永虎雅 vs. 村上雄大
8回戦
スーパーバンタム級:下町俊貴 vs. イ・ハンソル
スーパーフェザー級:江伊悟 vs. 大畑瞬平
4回戦
バンタム級:綾野大成 vs. 名和勇輔