ムロジョン・アフマダリエフは金曜の夜、長年待ち望んでいたキャリアを決定づける一戦をついに手に入れた。
元IBF・WBA世界スーパーバンタム級王者のムロジョン・アフマダリエフは、メキシコ・グアダラハラのドモ・アルカルデで行われた調整試合で、メキシコの伏兵ルイス・カスティーヨを8回TKOで下し、日本のスーパースター
井上尚弥との対戦に大きく前進した。
ウズベキスタン出身のサウスポー、ムロジョン・アフマダリエフ(14勝1敗、11KO)は、10回戦の中で5回と6回にそれぞれ1度ずつルイス・カスティーヨをダウンさせた後、8回に猛攻を仕掛け、カスティーヨのトレーナーがタオルを投入して試合を止めた。
レフェリーのルイス・ヒメネスが8回2分5秒で試合を正式にストップした。
アフマダリエフの勝利により、9月14日に日本・大阪で行われる井上尚弥の保持するリング誌、IBF、WBA、WBC、WBOの世界スーパーバンタム級王座への挑戦が保証された。井上(32歳)とアフマダリエフ(30歳)は、アフマダリエフが金曜夜に
試合を行う約3か月半前に、すでに対戦契約に署名していた。アフマダリエフは、比較的楽な相手であるカスティーヨとの試合に慎重なアプローチを取り、望めばもっと早く終わらせることもできたように見えた。
そしてついに、彼が2年前から望んでいたものを実現させた。本来であればアフマダリエフはすでに井上との対戦が決まっているはずだったが、2023年4月、サンアントニオのテックポート・アリーナでフィリピンのマーロン・タパレスにスプリット判定で敗れる番狂わせに遭っていた。
その井上尚弥(30勝無敗、27KO)は、リング誌のパウンド・フォー・パウンドランキングで2位に位置しており、2023年12月に東京・有明アリーナで行われた次戦でタパレスを10回KOで下している。
キャリアを通じて聴覚と言語に障がいを持つカスティーヨ(31勝7敗、20KO)は、この試合で直近6戦中4敗目を喫し、プロ10年で2度目のKO負けを喫した。
アフマダリエフが8回に強打を浴びせて試合を終わらせる前、6回残り58秒の場面で、左の強打をカスティーヨの頭部に当ててダウンを奪った。勇敢なカスティーヨはこれが2ラウンド連続のダウンとなったが、再びカウントを数えられながら立ち上がり、第7ラウンドへ進んだ。
5回残り10秒弱の場面では、アフマダリエフのボディへの左でカスティーヨは膝と手をついてダウン。これもカウント内に立ち上がり、6回へと進んだ。
金曜夜、アフマダリエフの立ち上がりはややスロースタートだった。最初の2ラウンドは大きな動きがなかったが、3回残り1分15秒の場面で左ストレートをヒットさせ、カスティーヨをバランスを崩すほどに揺さぶった。
このパンチの際、アフマダリエフはカスティーヨの足を踏んでいたため、追撃ができなかった可能性がある。
また、3回にその左を打ち込んだ際、アフマダリエフは左手を痛めたようにも見え、第3・第4ラウンドの間に手を振って様子をうかがう仕草を見せた。
第4ラウンド終盤には、アフマダリエフのボディへの左がカスティーヨを倒したように見えたが、この場面はダウンとは認定されなかった。その後、2度の公式ダウンが記録された。
Keith Idecは『ザ・リング・マガジン』の上級記者兼コラムニスト。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡可能。