モーゼス・イタウマがディリアン・ホワイトを初回で退けた数分後、ザ・リングはトゥルキ・アル・シェイク閣下が20歳の新星に対し、次戦でヘビー級4団体統一王者
オレクサンドル・ウシクとの対戦を望んでいると明かした。
「僕もそれを望む」とイタウマは
ザ・リングに語った。「たとえ相手がウシクじゃなくても、ウシクと戦うに値する選手、例えばパーカーやカバイェルでもいい。でもチームは僕にもっとラウンド経験を積ませたいと考えていて、その意味でジャーメイン・フランクリンは良い相手だと言われているんだ。」
モーゼス・イタウマは急速にボクシング界で最も注目される若手スターとなった。昨年12月、ウシク対タイソン・フューリーIIのアンダーカードでデムシー・マッキーンを初回KOした衝撃以来、ファンも専門家もその才能の片鱗を追い求めている。
実際、披露されているのはその“片鱗”ばかりだ。
5月、チャタム出身の彼は
アメリカ人マイク・バロガンをわずか2ラウンドで冷静に仕留めた。土曜夜リヤドでの初メインイベントでは、元世界タイトル挑戦者ホワイトを同じように2分足らずで片づけた。
WBO「暫定」王者ジョセフ・パーカーがウシクの次戦候補と見られているが、ウクライナ人王者の健康状態には不透明さが残っている。今週初め、
ウシクがWBOに対し、パーカー戦の交渉を進める前に不明なケガのため時間を要望したと報じられた。
もしウシクが王座を返上すれば、
パーカーとWBOランキング1位のイタウマによる空位決定戦が指令される可能性が高い。
いずれにせよ、イタウマには今後さらに実力を示す絶好の機会が数多く待っているのは間違いない。
37歳のホワイトを圧倒的に打ち砕いたものの、イタウマは序盤に“ボディ・スナッチャー”のパワーを感じ、ウシクが得意とする一撃 ― 最近
ヘビー級唯一の王者により「イワン」と名付けられた「コサックショット」(大きく振る左フック) ― を食らわないよう意識したと認めている。この左フックは先月ウェンブリーでダニエル・デュボアを9万人の観衆の前で沈めたパンチであり、同時にホワイト最大の武器でもある。
イタウマはこう付け加えた。
「なぜ驚いたのか分からないけど、僕がジャブを出した後にディリアンが腕にジャブを打ってきて、『なんて強いジャブだ』と思った。自分が考えていた以上に警戒する必要があるのかもしれないと思ったよ。」
「だからパンチを当てるたびに一歩下がって、反撃をもらわないようにしていたんだ。あれは何て言うんだっけ?コサックショットだ。あれを食らいたくなかったから、必要以上に警戒したよ。」
イタウマはまた、ホワイト戦後に伝説のリングアナウンサー、マイケル・バッファーから声をかけられ、ウェンブリー・スタジアムでのデビューを示唆されたことも明かした。
「多くの人は僕がスーパースターになりたいと思っていると思っているし、スポットライトを浴びたいと思っていると思っている。でも、僕はただボクサーでいたいだけなんだ。
ずっとやってきたことだし、9歳の頃から続けてきたことだからね。やらないと居心地が悪い。落ち着かないんだ。だからスーパースターになるためにやっているんじゃない。
試合後、マイケル・バッファーが『次はウェンブリーだな』と言ってくれたけど、ウェンブリーだろうがヨークホールだろうが僕には関係ない。大事なのはボクシングをすること。やらなければ自分が自分じゃない気がするんだ。」