シャクール・スティーブンソンは、
ウィリアム・セペダとの一戦に挑むことで、
自身のキャリアにまつわる評価を一新しようとしていた。ここ数年続いた退屈な勝利の連続を断ち切る“口直し”が、まさに必要とされていた。
技巧派サウスポーでディフェンス重視のシャクール・スティーブンソン(24勝無敗、11KO)は、土曜夜ニューヨークで行われたRing III興行において、アグレッシブなウィリアム・セペダを相手に、
観客を魅了する12ラウンドのユナニマス・ディシジョン(判定3-0)勝ちを収め、世間の評価を大きく覆してみせた。
スティーブンソン自身は「
自分としては少し被弾が多すぎた」と語ったものの、そのパフォーマンスはファンからも業界関係者からも絶賛を浴びた。試合の後半にかけて明確に差をつけ、WBCライト級王座の3度目の防衛に成功した。
「俺の見解では、シャクール・スティーブンソンは前回の試合でキャリア最高の出来だった」とマイク・タイソンはSNSに投稿した。
「あの見事なコンビネーションと頭の動き。あれをあの若さでやってのけるんだから、素晴らしかったよ。みんな彼に“パンチを受けられるところを見せろ”って言いたがるけど、本来の芸術は“打って、打たれないこと”なんだ。それがボクシングなんだ。そしてあれは、彼がこれまでに戦った中で一番の相手だった。タフな試合だったけど、難なく勝ってみせた。リングの中央では本当に美しかったよ。ただ、ロープ際に長くとどまるのは好きじゃないけどな」
3階級制覇王者のスティーブンソンは、“アイアン・マイク”からの助言を素直に受け止めた。
「ありがとう、レジェンド。その言葉に感謝してる。あのミスは修正するために、もう一度原点に立ち返って取り組むよ」とスティーブンソンは応えた。
エディ・ハーン率いるマッチルーム・ボクシングとの2試合契約を終えたスティーブンソンは、現在再びプロモーション面でフリーエージェントの立場にある。指名挑戦者で元暫定王者のセペダを下した今、28歳のニュージャージー出身のスティーブンソンは改めて、
ジャーボンテイ・デービスとの対戦を呼びかけている。
Manouk Akopyanは『ザ・リング』の主任記者。XおよびInstagramでは @ManoukAkopyan がフォローできます。