キース・サーマンは、2か月前に行われたマニー・パッキャオとマリオ・バリオスのウェルター級タイトル戦で、
どちらも勝利に値しないと思う。 サーマンは過去にパッキャオともバリオスとも戦った経験があり、7月19日にラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われた一戦で、両者のボクシングにはそれぞれ評価すべき点があったと語る。だが、最終ラウンドのゴングが鳴った時点で、サーマンは
引き分けが妥当な結果だったと考えた。パッキャオは46歳で、しかも約4年間リングから遠ざかっていたにもかかわらず、予想以上のパフォーマンスを見せた。だが最終的には多数判定による引き分けに終わった。判定は、マックス・デ・ルカが115-113で
バリオスを支持し、ティム・チータムとスティーブ・ワイスフェルドは共に114-114と採点した。
10月25日にラスベガスでWBC世界スーパーウェルター級王者セバスチャン・フンドラに挑戦するサーマンは、パッキャオがチャンピオンシップラウンドで失速した原因を準備不足にあると指摘した。
「みんなに言うけど、パッキャオの試合を採点するのは難しいんだ。彼が(パンチを)打つと、観客が盛り上がるからね」とサーマンは
『ザ・リング・マガジン』に語った。
「最初の6ラウンドはとても良い入り方をしたと思う。ただ、チャンピオンシップラウンド、特に最後の3ラウンドでは明らかに失速していた。手を出すことができなくなって、4発、5発、6発の連打ではなく、2発のコンビネーションにまで落ち込んでしまった。
試合後の記者会見で、パッキャオは8週間しか準備していなかったと言っていた。そこで自分が失敗したと分かっていると思う。彼の年齢なら、もう1か月追加して12週間のトレーニングキャンプを組むべきだった。そうすれば、きちんと準備をして明確に勝利をつかめていたはずだと俺は思う。」
パッキャオは9ラウンド終了時点で、チータムとワイスフェルドの採点では87-84とリードしていた。デ・ルカの採点でも86-85でパッキャオが1ポイント上回っていた。
だが、パッキャオより16歳若く、身長で6インチ勝るマリオ・バリオス(29勝2敗2分、18KO)は、最終3ラウンドを全ジャッジのスコアカードで取り切り、WBC世界ウェルター級王座を守った。サーマンはパッキャオが最後に失速したことを残念に思いつつも、バリオスの出足の遅さが勝ちを逃した要因だと見ている。
「マリオ・バリオスはジャブをとてもよく使っていたと思う」とサーマンは語った。「ただ、パッキャオに対してリスペクトを示しすぎた。あの夜、本当に勝てたのは、もっと自分を出し切っていたら若い方だと思う。トレーナー陣もそれを求めていたが、実際にはできなかった。そして俺が言ったように、遊びで言えば、誰も倒されてないし、誰も勝ってない。
リングの中では自分をしっかり主張しないといけない。そして、46歳のパッキャオは若いチャンピオンに負けなかった。それは大きな意味があることだ。もちろん、パッキャオが勝てたら良かったし、バリオスが勝っても良かった。だが事実として、この試合は再戦を望むほどのエンターテインメント性はなかった。」
サーマン(31勝1敗1無効試合、23KO)が唯一敗れたのは、2019年7月にMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われたパッキャオ戦のスプリット判定だった。元WBA/WBC世界ウェルター級王者の彼は、その後2022年2月にミシェロブ・ウルトラ・アリーナでバリオスに判定勝ちを収めている。
フロリダ州クリアウォーター出身のサーマンは、パッキャオ戦以降6年間でわずか2試合しか行っておらず、今回が3試合目となる。次戦では、カリフォルニア州コーチェラ出身の身長6フィート6インチのサウスポー、セバスチャン・フンドラ(23勝1敗1分、15KO)と激突。両者の154ポンド級12回戦は、MGMグランド・ガーデン・アリーナで行われるプレミア・ボクシング・チャンピオンズ(PBC)のPPVメインイベントとして開催される。
Keith Idecは『ザ・リング』の上級ライター兼コラムニスト。Xでは @idecboxing で連絡できる。