ボブ・アラムは、年を取りすぎて何かをするには無理だと言われることがどういうことか、誰よりもよく理解している。
93歳の殿堂入りプロモーターである彼は、今でもほとんどの日にトップランク社のラスベガス本社に通い、会社の運営にかなり積極的に関わっている。アラムにとって
マニー・パッキャオは非常に個人的な存在でもある。なぜなら、トップランクはフィリピンの伝説的ボクサーと長年にわたって成功を収めてきたからだ。
したがって、アラムが先週土曜日の夜、ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われたWBCウェルター級王者
マリオ・バリオスとの12回戦でのパッキャオのパフォーマンスを高く評価したのは、まったく驚くことではない。
長年にわたり、パッキャオは何度もアラムを驚かせてきた。しかし、8階級制覇王者の彼が数か月前に復帰を発表したとき、アラムはそのような反応を自分がするとは予想していなかった。パッキャオはアラムの半分の年齢ではあるものの、チャンピオンクラスの相手と戦うには年齢もキャリアの空白も大きすぎると見られていた。
46歳のパッキャオは、テキサス州サンアントニオ出身のマリオ・バリオス(29勝2敗2分、18KO)より16歳年上であり、2021年8月にラスベガスのT-モバイル・アリーナでヨルデニス・ウガスに12回戦の判定で敗れて以来、ほぼ4年間リングから遠ざかっていた。しかしアラムによれば、試合を自宅で観戦した限りでは、そのブランクを感じさせるものはまったくなかったという。
「本当に驚いたよ」とアラムは『
ザ・リング・マガジン』に語った。「驚くべきことだった。正直に言えば、リング上ではパッキャオの方がフレッシュなファイターに見えたよ。相手の見せ場は、いいジャブだけだった。ほかには何もなかった。でもマニーはすごくアクティブで、跳ね回ったりして、まるで若いファイターのように見えた。4年間試合をしていない46歳の男にはとても見えなかったね。」
判定では、ジャッジのマックス・デ・ルカが115-113でバリオスの勝ちと採点。ティム・チータムとスティーブ・ワイスフェルドの2人は、147ポンドのタイトル戦をともに114-114の引き分けとした。
チータム(87-84)、デ・ルカ(86-85)、ワイスフェルド(87-84)の3人のジャッジは、いずれも第10ラウンドに入る時点でパッキャオがリードしていると採点していた。
第10~12ラウンドは全員がバリオスのラウンドと判断しており、アラムも同様の見解だった。「46歳の男としては、マニーは本当によくやったと思う」とアラムは語った。「そして、非常に接戦だったと思う。多くの人、たぶん観ていたほとんどの人がマニーを応援していたんじゃないかな。年配の男を応援していたんだろうね。でも試合をよく見て分析すれば、接戦だったことは明らかだ。最初の9ラウンドを終えた時点で、私は6ラウンド対3でマニーがリードしていると見ていた。
「それから、最後の3ラウンドは彼が落としたという点でジャッジたちに同意する。試合終了時には『たぶん引き分けだろう』と思った。でも最初の9ラウンドは6対3とも、1人のジャッジのように5対4とも、7対2とも見られる内容だった。最後の3ラウンドに入る時点では、マニーの試合だったように見えたよ。」
Keith Idecは『ザ・リング』の上級記者兼コラムニストであり、X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡が取れる。