元WBOバンタム級世界王者
ジェイソン・モロニーは、プロ11年目で初めてとなる2連敗からの脱出を目指し、34歳となった今も試合決定の知らせを辛抱強く待っている。
先月、WBCバンタム級ランキングで3位に浮上したリバプール出身の
アンドリュー・ケインは、モロニーが狙う標的の一人だ。
ケイン(14勝1敗、12KO)は、3月15日に地元リバプールで行われたニック・ボール対TJ・ドヘニー戦の前座に登場し、元WBCフライ級世界王者チャーリー・エドワーズに12回スプリット判定で僅差勝利。試合内容は見どころが少なく、観客にとっては消化不良な一戦となった。
モロニー(27勝4敗、19KO)は、
自分を“踏み台”として見られたくないと主張したが、前月には日本のサウスポー新鋭・那須川天心(7勝0敗、2KO)に10回戦で完敗している。
8歳年下の那須川、そして現WBO王者の武居由樹(11勝0敗、9KO)は、元王者であるモロニーに評価を下げる判定負けを与えた。モロニーは、まだトップレベルで戦えるだけでなく、その中で勝てる力が残っていることを証明しようとしている。
兄のアンドリューが8月16日にIBFスーパーフライ級挑戦者決定戦で
アルヒ・コルテスと対戦するのに合わせ、メキシコで共にトレーニングを積むジェイソンは、欧州の伏兵イオヌット・バルタに2023年3月の激闘でスプリット判定負けを喫し上昇気流を止められたものの、その後立て直した挑戦者ケインに注目している。
モロニーはBoxingSceneにこう語った。
「彼(ケイン)は今、WBCで3位にランクされている。英国では評価の高い選手だし、これは自分が必ず勝てると自信を持てる試合だ。」
ケインの主任トレーナーであるポール・スティーブンソンは最近『ザ・リング』に対し、ケインと同じジム所属のスーパーバンタム級選手ピーター・マクグレイルが、これまでの成果に見合う世界タイトル挑戦の機会を近いうちに得られることを望んでいると語った。
29歳のケインは、RING・WBC・IBF王者である
中谷潤人の緑と金のベルトを懸けた挑戦者決定戦で、メキシコのアレハンドロ・ハイール・ゴンサレス(19勝6敗3分、11KO)と対戦する予定だったが、この試合が6月初旬に公表されて以来、詳細は何も伝えられていない。
スティーブンソンはこう語った。
「彼は世界タイトル挑戦者決定戦を行う予定だ。本来は8月に行われるはずだったが、9月下旬か10月初旬になりそうだ。もうほとんど準備は整っている。この試合を戦い、その次で世界タイトルを獲りに行く。」