カリフォルニア州バレー・ビレッジ発 — ウェルター級コンテンダーのゴル・イェリツヤンには、すでに必要な実力と実績が備わっている。あとはブレイクのチャンスを待つのみだ。
ただしその前に、イェリツヤン(20勝1敗、16KO)は、再び“証明の場”に挑まなければならない。今週土曜、カリフォルニア州サンタ・イネズのチュマシュ・カジノで開催される360プロモーションズの「ハリウッド・ファイト・ナイト」イベントで、ヴァーノン・ブラウン(13勝2敗1分、9KO)と対戦する。大会は、UFCファイトパスで中継され、カラム・ウォルシュがメインを務める。
イェリツヤンは、母国アルメニアで輝かしいアマチュアキャリアを積んだのち、2019年に渡米し、名門トレーナーのフレディ・ローチのもとでトレーニングを開始した。
現在では、長年タッグを組んできたプロモーターのトム・レフラーとともに、TKOグループのズッファ・ボクシング部門での戦いに備えている。30歳のイェリツヤンは、急速に混戦化しているウェルター級戦線で、自らの存在を刻み込むことを切望している。
「今の自分は、キャリアの中でも“タフな相手”や“ビッグネーム”と戦う準備が整った段階にいる」と、イェリツヤンはトレーニング後に
ザ・リング・マガジンに語った。場所は、彼が最近、生涯の友でありプロボクサー、そして2016年アルメニア代表のナレク・アブガリアンとともに開設した「12ラウンズ・ボクシングジム」だった。
「俺は今すぐにでも飛躍したいと思ってる。ウェルター級は今、取りにいける階級だ。そして、自分がこの階級の“新しい名前と顔”になれると確信しているんだ。」
元4団体統一王者テレンス・クロフォードが昨年正式にウェルター級を離れて以来、147ポンド級は混迷の状態が続いている。ジャロン・エニスが『ザ・リング』誌、WBA、IBFの王座を獲得し頭角を現したものの、
今週に入り彼も154ポンド級への転向を発表した。
現在の王者たちについて言えば、イェリツヤンの伝説的なワイルドカード・ジムの仲間マニー・パッキャオは、来月WBC王者マリオ・バリオスに番狂わせを起こし、この階級を再び揺るがそうとしている。一方で、イェリツヤンが「エニスが去った今、現時点でウェルター級最強」と評価するブライアン・ノーマン・ジュニアは、日本で佐々木尽をKOで下したばかりだ。
ジョナサン・ロメロ戦とルイス・エルナンデス・ラモス戦で連続KO勝利を収めたイェリツヤンは、次こそ“実力者同士の生き残り戦”に挑む準備が整ったと感じている。彼は次戦の希望対戦相手として、アレクシス・ロチャ、ジョバニ・サンティリャン、ハーレム・ユーバンク、アベル・ラモスの名を挙げた。
一方で、エイマンタス・スタニオニス、エギディウス・カバリアウスカス、ラウル・クリエルといった選手たちとの対戦は除外。理由は、これまでワイルドカード・ジムで共にトレーニングを積み、親しい関係を築いてきたためだという。
ロランド・ロメロ、ライアン・ガルシア、デビン・ヘイニーも147ポンドで活動しているが、イェリツヤンは
これらのPPV級の対戦が手の届く範囲にはないこことを認識している
その代わりに彼は、知名度を高めるための新たなチャンスが開かれたことに希望を見出している。
「ズッファ・ボクシングが自分の将来にとって大きな存在になることにワクワクしてる」とイェリツヤンは語る。「俺は、TKOの新たなボクシング組織でウェルター級王者になりたい。世界チャンピオンを目指す中で、トム・レフラー、ダナ・ホワイト、そしてチームの全員が自分を導いてくれると信じているんだ。」
Manouk Akopyanは『ザ・リング』誌の主任ライター。
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