フレーザー・クラークと
ジーミー・TKVが、10月25日に空位の英国ヘビー級王座をかけて激突する。舞台はボクサー社がBBCで初めて開催するイベントだ。
ボクサーは今年初めにスカイスポーツとの独占契約を終了。8月、20年ぶりにBBCの地上波でプロボクシングを放送する契約が発表された。
その新体制の幕開けとなるのが、今回のクラーク対TKV戦。メインとセミファイナルは20時~22時にBBC Twoで放送され、アンダーカードはBBC iPlayerでライブ配信される。
このメインイベントは7月に動き出した。英国ボクシング管理委員会(BBBoC)が、
デヴィッド・アデレイが王座を返上したため、クラークとTKVに対戦を指示したのだ。アデレイはTKVとの再戦ではなく、8月にフィリップ・フルコビッチ戦を選択した。
これにより、クラーク対TKVは2005年3月、クリントン・ウッズがリコ・ホイエを破ってIBF世界ライトヘビー級王座を獲得して以来、BBCで生中継される初のプロボクシング・メインイベントとなる。
ただし、同日の10月25日には別のヘビー級戦――ジョセフ・パーカー対ファビオ・ワードリーがO2アリーナで予定されており、直接対決の興行競合となる。
東京2020で銅メダルを獲得したクラークは次のように語った。
「BBCのメインイベントを務めるなんて最高だ。本当に大きな舞台だし、この試合にはものすごく多くの人の注目が集まる。早くリングに上がってショーを見せたいよ。
ずっと英国タイトルを獲るのが夢だった。この試合に向けて飢えているし、早くリングに入って自分のものにしたい。その上、BBCのゴールデンタイムで生放送されるんだから、さらに特別だ。
リングでは氷のように冷静でいるつもりだ。アマチュア時代に世界を回り、プロになってからも浮き沈みを経験してきた。そのすべてから学んだ。俺は場数を踏んで鍛えられたし、この試合に向けた集中力と覚悟はこれまで以上だ。
ジーミーはバランスの取れたいいファイターだが、俺は自分がどのレベルにいるか、ジムで積み重ねてきた努力を知っている。彼に最後のゴングを聞かせるつもりはない。今の俺はこれまでで最も完成されたファイターで、その結果がKOにつながる。考えはシンプルだ――リングに入って勝つ、そして強烈な印象を残す。ただし、ジーミーを甘く見るつもりはない。だが、俺は彼を真っすぐ突き破っていく。」
TKVことジーミー・チシケヴァは
、4月にデヴィッド・アデレイとの試合で物議を醸すストップ負けを喫して以来リングに上がっていない。その敗北で戦績は8勝2敗(5KO)となったが、クラーク(9勝1敗1分7KO)に勝利すればキャリアを立て直すことができる。
彼はこう語った。
「ゴールデンタイムのテレビ放送で、何百万人もの前で自分のスキルを披露できるチャンスにワクワクしている。これまで見せたことのない自分を人々は目にするだろう。俺にはヘビー級では珍しいスキルがあって、毎試合違うものを持ち込める。これまで過小評価されてきたが、今回は甘く見られてはいけない。
フレーザーとは何年も前からやり合ってきて、いよいよ決着の時だ。英国タイトルをかけて、しかもBBCという巨大な舞台で戦えるなんて、さらに特別だ。フレーザーはいいファイターだし、ベストの状態で来ると思っている。でも俺は炎と熱を持ち込むつもりだ。
前回の試合が物議を呼ぶ終わり方をした分、英国タイトルを手に入れる決意はこれまで以上に強い。飢えているし、なぜ自分がこのベルトにふさわしいのかをみんなに証明する準備ができている。
この試合は最後までいかない。100%だ。俺たちは戦争をする。そして俺が持ち込むものに、彼は耐えられない。俺は飢えていて、危険で、このベルトを奪い取る覚悟ができているんだ。」